ホームページ制作を外部に依頼する際、どのような流れで進めるのか、何を準備すれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、ホームページ制作の依頼から納品までの全工程を、発注者の視点で詳しく解説します。
ホームページ制作依頼の全体フロー
ホームページ制作を依頼する際の全体的な流れは以下の通りです。
| フェーズ | 所要期間 | 発注者の主な作業 |
|---|---|---|
| 1. 事前準備 | 1〜2週間 | 目的整理、予算設定、資料収集 |
| 2. 制作会社選定 | 1〜2週間 | 情報収集、見積もり依頼、比較検討 |
| 3. ヒアリング | 1〜2日 | 要件説明、質疑応答 |
| 4. 見積もり・提案 | 3〜7日 | 提案内容確認、質問 |
| 5. 契約 | 1〜3日 | 契約書確認、署名 |
| 6. 要件定義 | 1〜2週間 | 詳細要件の確認、資料提供 |
| 7. デザイン制作 | 2〜4週間 | デザイン確認、フィードバック |
| 8. コーディング | 2〜4週間 | 進捗確認、中間チェック |
| 9. テスト・修正 | 1〜2週間 | 動作確認、修正依頼 |
| 10. 納品・公開 | 1〜3日 | 最終確認、公開承認 |
| 11. 公開後フォロー | 継続 | 運用、改善 |
フェーズ1:事前準備(依頼前に整理すべきこと)
制作目的を明確にする
まず、なぜホームページを制作するのか、その目的を明確にしましょう。
- 企業認知度の向上
- 新規顧客の獲得
- 採用活動の強化
- 商品・サービスの販売
- 既存顧客へ の情報提供
- ブランドイメージの向上
目的が明確であれば、制作会社も適切な提案ができます。
予算を設定する
おおよその予算を決めておくことで、それに見合った制作会社を効率的に探せます。
必要なページと機能をリストアップ
どのようなページが必要か、どんな機能を実装したいかをリストアップします。
例:トップページ、会社概要、サービス紹介、事例紹介、ブログ、お問い合わせフォーム、採用情報など
参考サイトを集める
好みのデザインや機能を持つサイトを5〜10サイトほど集めておくと、デザインイメージを伝えやすくなります。
準備すべき素材
- 会社ロゴデータ(AI、PSD、PNG等)
- 商品・サービスの写真
- 会社やスタッフの写真
- 掲載する原稿・テキスト
- 会社案内パンフレット等の既存資料
フェーズ2:制作会社の選定
情報収集の方法
- Google検索(「大分 ホームページ制作」など)
- 知人・取引先からの紹介
- 商工会議所などの地域団体
- 制作会社のポートフォリオサイト
- 口コミサイト・比較サイト
複数社から見積もりを取る
最低3社、できれば5社程度から見積もりを取ることをおすすめします。価格だけでなく、提案内容や対応の質も比較しましょう。
フェーズ3:ヒアリング
制作会社とのヒアリングでは、以下の内容を伝えます。
伝えるべき内容
- 会社概要・事業内容
- 制作の目的と目標
- ターゲットユーザー
- 必要なページと機能
- デザインの希望(参考サイト含む)
- 予算と納期
- 競合サイト
- 今後の運用方針
質問すべき内容
- 制作期間の目安
- 修正回数の制限
- 公開後のサポート内容
- CMSの有無と使いやすさ
- SEO対策の内容
- スマホ対応の方法
- サーバー・ドメインの取扱い
フェーズ4:見積もり・提案の確認
見積書のチェックポイント
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 制作費用 | 各工程の内訳は明確か |
| 含まれる作業 | どこまでが含まれているか |
| 含まれない作業 | 追加費用が発生する作業は何か |
| 修正回数 | 無料修正の回数制限 |
| 納期 | 各フェーズの具体的な日程 |
| 支払い条件 | 着手金、中間金、最終金の割合 |
| 著作権 | 納品後の著作権の所在 |
提案書のチェックポイント
- 自社の課題を理解しているか
- 具体的な解決策が提示されているか
- サイト構成は適切か
- デザインの方向性は合っているか
- SEO対策は含まれているか
- 運用方法は提案されているか
フェーズ5:契約
契約書で確認すべき事項
- 業務範囲:制作する内容の詳細
- 納期:各工程と最終納期
- 費用:総額と支払いスケジュール
- 修正回数:無料修正の範囲と回数
- 著作権:納品後の権利の所在
- 解約条件:解約時の取り決め
- 遅延時の対応:納期遅延時の措置
- 機密保持:情報管理に関する条項
不明点があれば契約前に必ず確認しましょう。
フェーズ6:要件定義
契約後、より詳細な要件を詰めていきます。
サイトマップの確認
どのようなページ構成にするか、階層構造を確認します。
ワイヤーフレームの確認
各ページのレイアウトを簡易的に示した図(ワイヤーフレーム)を確認します。デザイン制作前にレイアウトの方向性を確認できます。
機能仕様の詳細化
お問い合わせフォーム、ブログ機能、予約システムなど、各機能の詳細な仕様を決定します。
原稿・素材の提供
事前に準備した原稿や画像素材を提供します。不足分は制作会社が作成する場合もあります(追加費用が発生することも)。
ホームページ制作の流れを完全ガイド!工程ごとのポイントも解説
フェーズ7:デザイン制作
デザインカンプの確認
制作会社から提示されるデザインカンプ(完成イメージ)を確認します。通常、トップページから作成されます。
フィードバックのポイント
- ブランドイメージと合っているか
- ターゲットユーザーに響くデザインか
- 視認性・可読性は良好か
- 競合と差別化できているか
- 具体的な修正箇所を明確に伝える
抽象的な指示(「もっとかっこよく」など)ではなく、「この部分の色を青系にしたい」など具体的に伝えましょう。
修正回数に注意
契約で決められた修正回数内で完了するよう、社内で十分に確認してからフィードバックしましょう。
フェーズ8:コーディング
デザインが確定したら、コーディング(プログラミング)に入ります。この段階では発注者の作業は少なめです。
中間確認
制作会社によっては、コーディング途中でテスト環境を用意し、動作確認を求められることがあります。
確認すべき点
- デザイン通りに実装されているか
- スマホ・タブレットでの表示
- リンクが正しく動作するか
- フォームの動作
- ページの読み込み速度
フェーズ9:テスト・修正
テスト環境での確認
本番公開前に、テスト環境で以下を確認します。
- 全ページの表示確認
- 各種デバイスでの表示(PC、タブレット、スマートフォン)
- 各種ブラウザでの表示(Chrome、Safari、Edge等)
- リンク切れがないか
- フォームの送信テスト
- 誤字脱字のチェック
- 画像の表示確認
修正依頼
不具合や修正が必要な箇所をリストアップして依頼します。スクリーンショットを添付すると伝わりやすくなります。
フェーズ10:納品・公開
最終確認
修正が完了したら、最終確認を行います。問題がなければ公開の承認を出します。
公開作業
制作会社が本番サーバーへのアップロードを実施します。公開後、すぐに表示確認を行いましょう。
納品物の確認
契約に基づき、以下のような納品物を受け取ります。
- サイトデータ一式
- 画像素材
- マニュアル(更新方法など)
- サーバー・ドメイン情報
- アクセス解析設定情報
フェーズ11:公開後のフォロー
保守・運用サポート
多くの制作会社は、公開後の保守・運用サポートを提供しています。
- 定期的なバックアップ
- セキュリティアップデート
- 軽微な修正・更新
- アクセス解析レポート
- SEO対策の継続
効果測定と改善
Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを活用し、サイトの効果を測定します。必要に応じて改善施策を実施しましょう。
大分県でホームページ制作を依頼する際の注意点
対面打ち合わせの必要性を確認
大分県内の制作会社であれば対面での打ち合わせがしやすいですが、オンラインでも問題ない場合は全国から選べます。
地域SEO対策の実施
大分県内のユーザーをターゲットにする場合、地域SEO対策が重要です。制作会社に対応可能か確認しましょう。
地域SEO(ローカルSEO)の完全ガイド - 大分県の事業者向け
よくあるトラブルと対策
1. 納期遅延
対策:契約時に遅延時の対応を明記する。定期的に進捗を確認する。
2. 追加費用の発生
対策:見積もり時に追加費用が発生するケースを確認する。要件変更は慎重に行う。
3. イメージの相違
対策:参考サイトを複数提示する。デザイン段階で丁寧に確認する。
4. 修正回数オーバー
対策:社内で十分に確認してから修正依頼する。重要な修正を優先する。
5. 公開後のサポート不足
対策:契約前にサポート内容を詳しく確認する。
まとめ:スムーズな依頼のために
ホームページ制作を成功させるためには、発注者側の準備と積極的な関与が不可欠です。
成功のポイント
- 目的と予算を明確にする
- 複数社を比較検討する
- 契約内容を十分に確認する
- 適切なタイミングでフィードバックする
- 制作会社と良好なコミュニケーションを保つ
- 公開後も継続的に改善する
余日(Yojitsu)のサポート体制
余日では、初めてホームページ制作を依頼される企業様も安心してご利用いただけるよう、丁寧なヒアリングと分かりやすい説明を心がけています。大分県の企業様のデジタル化を全力でサポートいたします。
参考文献・データソース
本記事で紹介した制作フロー・期間は、Web制作业界の一般的なプロジェクト管理情報に基づいています(2024-2025年):
- 経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構
「情報サービス産業白書」(情報システム開発の工程・期間に関する業界標準データ)
https://www.meti.go.jp/statistics/ - Web制作会社・プロジェクト管理の一般情報
複数のWeb制作会社の一般的な制作フロー・スケジュールを参照し、一般的な期間を集計 - プロジェクト管理の業界標準
Web制作の各フェーズ(要件定義、デザイン、開発、テスト)における標準的な工数・期間をプロジェクト管理の観点から整理