llms.txtを作成したいけれど、何から始めれば良いか分からない方向けに、具体的な手順を詳しく解説します。本記事では、準備から公開までの全工程を順を追って説明します。
llms.txt作成の全体フロー
| ステップ | 作業内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1. 準備 | サイト構造の整理、重要ページの選定 | 30分〜1時間 |
| 2. 作成 | Markdown形式でllms.txtを記述 | 30分〜1時間 |
| 3. 確認 | 内容とフォーマットのチェック | 10〜20分 |
| 4. 設置 | サーバーへのアップロード | 5〜10分 |
| 5. テスト | 動作確認と最終調整 | 10〜20分 |
ステップ1:準備
1-1. サイト構造を把握する
まず、自社サイトの全体構造を把握します。
確認すべき項目
- 全ページのリスト
- 主要なカテゴリ
- 重要度の高いページ
- よく閲覧されるページ
確認方法
# サイトマップから確認
https://yoursite.com/sitemap.xml
# Google Analyticsで閲覧数を確認
トップページ以外で閲覧数の多いページをリストアップ
1-2. 重要ページを選定する
llms.txtに含めるページを選定します。すべてのページを含める必要はありません。
優先度の高いページ
| ページタイプ | 例 | 優先度 |
|---|---|---|
| トップページ | index.html | 必須 |
| サービス/商品 | services.php, products.html | 高 |
| 会社情報 | about.html | 高 |
| お問い合わせ | contact.html | 高 |
| 主要コンテンツ | 人気記事、事例紹介等 | 中 |
| その他 | プライバシーポリシー、FAQ等 | 低(Optional) |
1-3. 必要な情報を収集する
選定したページについて、以下の情報を収集します。
- ページタイトル
- URL(絶対パス)
- ページの簡潔な説明(1行程度)
Excelやスプレッドシートで整理
| カテゴリ | ページタイトル | URL | 説明 |
|---|---|---|---|
| サービス | Web制作 | https://yojitu.com/web-production.php | LP・コーポレートサイト制作 |
| サービス | 動画制作 | https://yojitu.com/video-production.php | SNS向けショート動画 |
| 会社情報 | 会社概要 | https://yojitu.com/about.html | 企業理念・代表プロフィール |
ステップ2:llms.txtを作成する
2-1. テキストエディタを開く
以下のいずれかのエディタを使用します。
- Windows: メモ帳、Visual Studio Code、Notepad++
- Mac: テキストエディット、Visual Studio Code、Sublime Text
- オンライン: Dillinger、StackEdit(Markdownエディタ)
Visual Studio Codeなどのコードエディタを使うと、Markdownのプレビュー機能が使えて便利です。
2-2. H1見出しを記述する
最初の行に、プロジェクト名を記述します。
# 余日(Yojitsu)
2-3. 概要を記述する
H1見出しの下に、引用ブロック(>)で概要を記述します。
# 余日(Yojitsu)
> 大分県を拠点に、Web制作・ショート動画制作を提供するデジタルマーケティング会社です。
2-4. セクションとリンクを記述する
H2見出しでセクションを作成し、リンクリストを記述します。
## サービス
- [Web制作](https://yojitu.com/web-production.php): LP制作5万円〜、コーポレート30万円〜
- [ショート動画制作](https://yojitu.com/video-production.php): Instagram Reels、TikTok対応
リンクの書き方
- [リンクテキスト](完全URL): 説明文
2-5. Optionalセクションを追加
優先度の低い情報は、Optionalセクションにまとめます。
## Optional
- [ブログ](https://yojitu.com/blog/): デジタルマーケティング関連記事
- [お知らせ](https://yojitu.com/news/): 最新情報
完成例
# 余日(Yojitsu)
> 大分県を拠点に、Web制作・ショート動画制作を提供するデジタルマーケティング会社です。
## サービス
- [Web制作](https://yojitu.com/web-production.php): LP制作5万円〜、コーポレート30万円〜
- [ショート動画制作](https://yojitu.com/video-production.php): Instagram Reels、TikTok対応
## 会社情報
- [会社概要](https://yojitu.com/about.html): 企業理念、代表プロフィール
- [お問い合わせ](https://yojitu.com/contact.html): 電話、メール、LINE対応
## Optional
- [ブログ](https://yojitu.com/blog/): デジタルマーケティング関連記事
- [お知らせ](https://yojitu.com/news/): 最新情報
ステップ3:内容を確認する
3-1. Markdownプレビューで確認
Visual Studio CodeやオンラインMarkdownエディタで、見た目を確認します。
3-2. チェックリスト
以下の項目をチェックします。
□ H1見出しが1つだけ
□ プロジェクト名が明確
□ 引用ブロックで概要を記述
□ リンクテキストが分かりやすい
□ URLが完全URL(絶対パス)
□ 各リンクに説明文がある
□ セクション数が適切(3〜5個)
□ 重要な情報が上部にある
□ Markdownの記法が正しい
3-3. ファイル名と拡張子を確認
ファイル名は必ず以下にします。
llms.txt
拡張子は「.txt」です。「.md」ではありません。
ステップ4:サーバーに設置する
作成したllms.txtをサーバーのルートディレクトリに配置します。
4-1. ルートディレクトリの確認
サイトのトップページ(index.html等)があるディレクトリがルートディレクトリです。
サイト構造の例:
/
├── index.html
├── services.php
├── about.html
├── llms.txt ← ここに配置
├── assets/
├── images/
└── ...
4-2. 設置方法別ガイド
方法1:FTPソフトを使う
- FileZilla、Cyberduck等のFTPソフトを起動
- サーバーに接続
- ルートディレクトリを開く
- llms.txtをドラッグ&ドロップ
方法2:レンタルサーバーの管理画面
- サーバーの管理画面にログイン
- ファイルマネージャーを開く
- public_html(またはhtmlフォルダ)を開く
- 「ファイルをアップロード」からllms.txtを選択
方法3:Gitでデプロイ
# llms.txtをプロジェクトのルートに配置
mv llms.txt /path/to/project/
# Git にコミット
git add llms.txt
git commit -m "Add llms.txt for LLM optimization"
git push origin main
4-3. パーミッション設定
llms.txtのパーミッション(アクセス権限)を確認します。
推奨パーミッション: 644
これにより、誰でも読み取り可能になります。
ステップ5:動作確認する
5-1. ブラウザでアクセス
ブラウザで以下のURLにアクセスします。
https://yoursite.com/llms.txt
正しく設置できている場合
- llms.txtの内容が表示される
- 404エラーが表示されない
- 文字化けしていない
5-2. 文字コードの確認
日本語が文字化けする場合、文字コードをUTF-8に変更します。
Windows メモ帳の場合
- ファイル > 名前を付けて保存
- 文字コードを「UTF-8」に設定
- 保存
5-3. robots.txtの確認
robots.txtでllms.txtがブロックされていないか確認します。
# robots.txtの内容を確認
https://yoursite.com/robots.txt
# llms.txtがDisallowされていないかチェック
# NG例:
Disallow: /*.txt$
# OK例:
Disallow: /private/
5-4. LLMでテスト(任意)
ChatGPTやClaudeに直接llms.txtを読み込ませ、正しく理解できるかテストします。
テスト方法
- ChatGPTまたはClaudeを開く
- 「https://yoursite.com/llms.txt を読み込んで、サイトの概要を教えてください」と入力
- 正しく情報が抽出されているか確認
トラブルシューティング
問題1:404エラーが表示される
原因
- ファイル名が間違っている(llms.md、LLMS.txt等)
- ルートディレクトリ以外に配置している
- アップロードに失敗している
解決方法
- ファイル名を「llms.txt」(小文字)に統一
- ルートディレクトリを再確認
- 再アップロード
問題2:文字化けが発生する
原因
- 文字コードがUTF-8以外
- BOM付きUTF-8になっている
解決方法
- UTF-8(BOMなし)で保存し直す
- テキストエディタの設定を確認
問題3:内容が表示されない
原因
- パーミッションが間違っている
- .htaccessでブロックされている
解決方法
- パーミッションを644に設定
- .htaccessの設定を確認
更新とメンテナンス
更新が必要なタイミング
- サイト構造が大きく変わったとき
- 重要なページを追加したとき
- URLが変更になったとき
- サービス内容が変わったとき
更新手順
- ローカルでllms.txtを編集
- 内容を確認
- サーバーにアップロード(上書き)
- ブラウザで確認
バージョン管理
Gitを使っている場合、llms.txtの変更履歴を管理できます。
git log llms.txt
# 変更履歴を確認
git diff llms.txt
# 前回との差分を確認
WordPress サイトの場合
WordPressサイトでは、プラグインを使って簡単に設置できます。
参考文献・データソース
本記事で紹介したllms.txt作成の手順・所要時間は、以下の信頼できる情報源に基づいています(2024-2025年):
- llmstxt.org
llms.txtの公式仕様・書式定義・ガイドライン
https://llmstxt.org/ - Answer.AI
Jeremy Howard氏によるllms.txtの提案・背景説明
https://www.answer.ai/ - 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
Webサイト開発・ドキュメント作成の一般的な工数目安・時間見積もり
https://www.ipa.go.jp/jinzai/index.html - GitHub - llms-txt Examples
実装例・サンプルコード・コミュニティのベストプラクティス
https://github.com/search?q=llms.txt
まとめ:llms.txt作成の5ステップ
- 準備:サイト構造を整理し、重要ページを選定
- 作成:Markdown形式でllms.txtを記述
- 確認:内容とフォーマットをチェック
- 設置:ルートディレクトリにアップロード
- テスト:ブラウザで動作確認
初めてでも、この手順に従えば1〜2時間程度でllms.txtを作成・公開できます。
チェックリスト(再掲)
- □ ファイル名は「llms.txt」
- □ 文字コードはUTF-8
- □ ルートディレクトリに配置
- □ パーミッションは644
- □ ブラウザで表示確認済み
- □ 文字化けしていない
- □ robots.txtでブロックされていない
これで、あなたのウェブサイトもLLM時代に対応したサイトになりました。
余日(Yojitsu)のllms.txt対応サポート
余日では、llms.txtの作成・設置を含む、最新のWeb技術に対応したサイト制作を提供しています。設置方法が分からない場合もサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。