2025年11月18日、Googleは最新のAIモデル「Gemini 3」を発表しました。推論能力、マルチモーダル理解、エージェント機能が大幅に強化され、20のベンチマーク中19で首位を獲得するという圧倒的な性能を示しています。
本記事では、Gemini 3の新機能、他モデル(GPT-5.1、Claude Sonnet 4.5)との比較、料金体系、そして日本での利用方法まで詳しく解説します。
Gemini 3とは?Googleの最も高性能なAIモデル
Gemini 3は、Google DeepMindが開発した最新の大規模言語モデルです。前モデルのGemini 2.5から大幅に進化し、特に以下の点で飛躍的な向上を遂げています:
- 複雑な推論能力 - LMArenaで1501 Eloを達成(史上初)
- マルチモーダル理解 - テキスト、画像、動画、音声を統合処理
- エージェント機能 - 複数ステップのタスクを自律的に実行
- 生成インターフェース - 回答形式もAIが最適化
Google DeepMindのCEO、デミス・ハサビス氏は「お世辞や決まり文句ではなく、本当に必要な洞察を提供する」とGemini 3の特徴を説明しています。
Gemini 3の主要な新機能
1. 推論能力の大幅向上
Gemini 3 Proは、複雑な推論タスクにおいて圧倒的な性能を発揮します:
| ベンチマーク | Gemini 3 Pro | GPT-5.1 | Claude 4.5 |
|---|---|---|---|
| LMArena (Elo) | 1501 | 1480 | 1465 |
| GPQA Diamond | 91.9% | 88.1% | 83.4% |
| Humanity's Last Exam | 37.5% | 26.5% | 13.7% |
| MathArena Apex | 23.4% | 1.0% | 1.6% |
特にHumanity's Last Exam(PhD レベルの難問テスト)で37.5%を達成し、GPT-5.1の26.5%を大きく上回っています。
2. Deep Thinkモード
Gemini 3 Deep Thinkは、さらに高度な推論が必要な場面向けのモードです:
- 回答前に追加の「思考時間」を取得
- Humanity's Last Examで41.0%を達成
- ARC-AGI-2で45.1%を記録
- GPQA Diamondで93.8%
Deep Thinkモードは、Google AI Ultra加入者向けに数週間以内に提供開始予定です。
3. マルチモーダル機能の強化
Gemini 3は100万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、以下のようなマルチモーダルタスクを処理できます:
- 外国語の手書きレシピを解読・翻訳
- スポーツ映像を分析してトレーニングプラン作成
- 講義動画を文字起こし・要約
- 複雑な図表やグラフの解析
マルチモーダルベンチマーク結果
| ベンチマーク | Gemini 3 Pro | GPT-5.1 |
|---|---|---|
| MMMU-Pro | 81% | 75% |
| Video-MMMU | 87.6% | 80.4% |
| CharXiv Reasoning | 81.4% | 69.5% |
4. Gemini Agent(エージェント機能)
Gemini Agentは、複数ステップのタスクを自律的に実行する実験的機能です:
- カレンダー連携 - 予定の追加・リマインダー設定
- メール管理 - 受信トレイの整理・返信下書き作成
- タスク管理 - To-Doの優先順位付け
- 情報収集 - 複数ソースからの情報統合
ユーザーは一度権限を付与すれば、Agentが自律的にこれらのタスクを処理します。
5. 生成インターフェース(Generative UI)
Gemini 3の最も革新的な機能の一つが生成インターフェースです。これは:
- モデルが回答形式も自動選択
- テキストだけでなく、Webページやツールを動的生成
- ユーザーのプロンプトに最適化されたUI
例えば「旅行プランを立てて」と依頼すると、単なるテキストではなく、地図や日程表を含むインタラクティブな旅行プランナーを生成できます。
コーディング能力:SWE-bench Verifiedで76.2%
Gemini 3 Proは、コーディングエージェントとしても高い性能を発揮します:
| モデル | SWE-bench Verified |
|---|---|
| Claude Sonnet 4.5 | 77.2% |
| Gemini 3 Pro | 76.2% |
| Gemini 2.5 Pro | 63.8% |
SWE-bench VerifiedではClaude 4.5にわずかに及びませんが、Googleは「最高のバイブコーディングモデル」と自負しています。
Google Antigravity - 開発者向け新プラットフォーム
Gemini 3と同時に、開発者向けの新しいプラットフォーム「Google Antigravity」も発表されました:
- コード、ツール、ワークフローを単一プロンプトから作成・管理
- タスク指向の高レベルコーディング
- AIエージェントの構築・デプロイを簡素化
GPT-5.1・Claude Sonnet 4.5との比較
2025年11月時点での主要AIモデルの特徴を比較します:
Gemini 3 Proが得意な分野
- 複雑な数学・科学の推論
- マルチモーダル理解(画像・動画解析)
- 視覚的推論タスク(ARC-AGI)
- 長文コンテキスト処理(100万トークン)
GPT-5.1が得意な分野
- 創造的文章・フィクション執筆
- 一部のエージェント型ワークロード
- スタイリッシュな散文
Claude Sonnet 4.5が得意な分野
- ソフトウェアエンジニアリング(SWE-bench)
- 長時間の対話・分析
- 安全性重視のアプリケーション
- 慎重で丁寧な分析
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料金体系
Gemini 3 ProのAPI料金は以下の通りです:
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 入力トークン | $2 / 100万トークン |
| 出力トークン | $12 / 100万トークン |
| コンテキストウィンドウ | 最大100万トークン |
※200kトークン以下のプロンプトの場合
無料利用枠
Google AI Studioでは、開発・実験用の無料枠が提供されています(レート制限あり)。
他モデルとの料金比較
- Gemini 3 Pro:$2/$12(入力/出力)
- GPT-5.1:$3/$15
- Claude Sonnet 4.5:$3/$15
Gemini 3は競合より低価格で提供されており、コストパフォーマンスに優れています。
利用可能なプラットフォーム
Gemini 3は発表と同時に多数のプラットフォームで利用可能になりました(Google史上最速の展開):
一般ユーザー向け
- Geminiアプリ(Web・iOS・Android)
- Google検索(AIモード・AI Overviews)
開発者向け
- Google AI Studio
- Vertex AI
- Gemini API
Geminiアプリの月間アクティブユーザーは6.5億人、AI Overviewsは20億人に達しています。
日本での提供状況
Gemini 3 Proは日本を含む各国で利用可能です。ただし、一部機能には制限があります:
日本で利用可能
- Geminiアプリでの Gemini 3 Pro
- Google AI Studio / Vertex AI
- Gemini API
日本では後日提供
- 検索のAIモード - 当初は米国のGoogle AI Pro/Ultra加入者向け
- Deep Thinkモード - 数週間以内に提供開始
- Gemini Agent - 実験的機能として順次展開
Gemini 3を使うべき人・ユースケース
おすすめのユースケース
- 研究者・科学者 - 複雑な数学・科学の問題解決
- データサイエンティスト - マルチモーダルデータ分析
- 開発者 - バイブコーディング・AIエージェント構築
- ビジネスユーザー - 長文ドキュメントの分析・要約
- 教育関係者 - 難問の解説・学習支援
他モデルを検討すべきケース
- 創作執筆・フィクション → GPT-5.1
- ソフトウェア開発 → Claude Sonnet 4.5
- 安全性重視のアプリ → Claude Sonnet 4.5
まとめ:AIモデル競争の新時代
Gemini 3の登場により、AI大規模言語モデルの競争は新たな段階に入りました:
- 推論能力:Gemini 3が多くのベンチマークでトップ
- マルチモーダル:100万トークンの長大なコンテキスト
- エージェント:自律的にタスクを実行する新機能
- 価格:競合より低価格で高性能
OpenAIのGPT-5.1、AnthropicのClaude Sonnet 4.5と合わせて、用途に応じた最適なモデル選択が可能になっています。特に推論や科学的分析が必要な場面では、Gemini 3が強力な選択肢となるでしょう。
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