なぜ問い合わせが来ないのか?よくある原因
ホームページを制作したものの、思うように問い合わせが来ない企業は少なくありません。大分県内の中小企業でも同様の悩みを抱えているケースが多く見られます。
問い合わせが来ない3つの主な原因
よくある失敗パターン
- アクセスはあるのに離脱率が高い - 導線設計に問題がある可能性
- そもそもアクセスが少ない - 集客施策が不足している
- 問い合わせボタンが分かりにくい - CTAの配置や デザインに課題がある
これらの問題は、単にデザインが古いとか、コンテンツが少ないという表面的な問題ではありません。ユーザーの行動心理を考慮した設計ができているかどうかが鍵となります。
問い合わせが来るホームページは、偶然ではなく、戦略的に設計されています。ユーザーが「問い合わせたい」と思ったその瞬間に、迷わずアクションできる導線が整っているのです。
それでは、具体的にどのような違いがあるのか、5つのポイントに分けて詳しく見ていきましょう。
【決定的な違い1】ユーザー導線の設計
問い合わせが来るホームページの最大の特徴は、明確な導線設計がされていることです。導線設計とは、ユーザーがサイトに訪れてから目的の行動(問い合わせ、購入など)に至るまでの道筋を設計することを指します。
導線設計の3つの基本原則
1. ゴールまでの距離を短くする
ユーザーが問い合わせフォームにたどり着くまでのクリック数を最小限に抑えます。理想は2クリック以内です。
良い例:
トップページ → サービス詳細ページ → 問い合わせフォーム(2クリック)
悪い例:
トップページ → 会社概要 → サービス一覧 → カテゴリ → サービス詳細 → お問い合わせについて → フォーム(6クリック)
2. 迷わせないナビゲーション
メニュー構成はシンプルに保ち、ユーザーが「次にどこをクリックすればいいか」が一目で分かるようにします。
- グローバルナビゲーションは5〜7項目以内に収める
- 重要度の高い項目を左側に配置する
- 「お問い合わせ」は常に固定ヘッダーに表示する
3. 段階的なCTAの配置
全てのユーザーが「いきなり問い合わせ」をしてくれるわけではありません。検討段階に応じた複数のCTA(行動喚起)を用意することが重要です。
| 検討段階 | 適切なCTA | 目的 |
|---|---|---|
| 情報収集段階 | 資料ダウンロード、メルマガ登録 | 接点を持つ |
| 比較検討段階 | 事例紹介、料金シミュレーション | 信頼を獲得する |
| 決断直前 | 無料相談、お問い合わせ | コンバージョンさせる |
大分県内の企業様へのアドバイス
地域密着型のビジネスでは、「電話での問い合わせ」を好むユーザーも多くいます。お問い合わせフォームだけでなく、電話番号を目立つ位置に大きく表示することも効果的です。特に建設業、不動産業、士業などでは電話CTAの設置が重要です。
【決定的な違い2】CTA(行動喚起)の配置と質
CTA(Call To Action)とは、ユーザーに具体的な行動を促すボタンやリンクのことです。問い合わせが来るホームページは、このCTAの配置、デザイン、文言に徹底的にこだわっています。
効果的なCTAの7つの条件
視認性が高い
背景色と明確にコントラストがあり、一目で「ボタン」だと分かるデザインにします。推奨カラーは、オレンジ、赤、緑などの暖色系です。
適切な位置に配置されている
CTAを配置すべき主な場所:
- ファーストビュー(画面をスクロールせずに見える範囲)
- 各セクションの終わり
- 記事やコンテンツの最後
- 固定ヘッダー・固定フッター
- サイドバー(PCの場合)
行動を促す明確な文言
悪い例:「こちら」「クリック」「詳しくはこちら」
良い例:「 今すぐ無料相談に申し込む」「 資料をダウンロードする」「 料金シミュレーションを試す」
ベネフィットが明確
ユーザーがアクションすることで得られるメリットを具体的に示します。
例:「 今なら初回相談無料!」「 24時間以内に返信します」「 5分で分かる導入事例集(PDF)」
心理的ハードルを下げる
「まだ決めていないけど、とりあえず聞いてみたい」というユーザーの心理的ハードルを下げる工夫をします。
- 「 お気軽にご相談ください」
- 「 営業電話は一切ありません」
- 「 個人情報は厳重に管理します」
適切なサイズ
タップしやすいサイズ(最低でも44×44ピクセル)を確保し、スマホでも押しやすいよう十分な余白を設けます。
緊急性・限定性を演出
今すぐ行動すべき理由を提示すると、コンバージョン率が向上します。
例:「 12月末まで制作費20%OFF」「 残り3社限定」
やってはいけないCTAの配置
- CTAが多すぎる: 1画面に5個以上のCTAがあると、ユーザーは迷ってしまい逆効果
- 埋もれたCTA: テキストと同じ色、小さすぎるボタンは見逃される
- 曖昧な文言: 「詳細」「こちら」だけでは何のボタンか分からない
【決定的な違い3】信頼性を高める要素
どれだけ導線が良くても、CTAが最適化されていても、信頼できない会社だと思われたら、ユーザーは問い合わせをしません。信頼性を高める要素の有無が、問い合わせ数に大きく影響します。
信頼性を高める7つの要素
1. 実績・事例の掲載
具体的な数字や事例を示すことで、「この会社に依頼すれば、自分も成果が出せるかも」とイメージしやすくなります。
- 導入実績数(「大分県内で〇〇社の導入実績」)
- 顧客の声・レビュー(写真付きだとさらに良い)
- Before/Afterの比較
- 業種別の成功事例
2. スタッフ・代表者の顔写真
「誰が対応してくれるのか」が分かると、安心感が大きく向上します。特にBtoBビジネスでは、担当者の顔が見えることが重要です。
- 代表者プロフィール(経歴、想いなど)
- スタッフ紹介(役職、得意分野)
- 制作・対応の様子が分かる写真
3. セキュリティ対策の明示
個人情報を入力する問い合わせフォームには、セキュリティ対策が必須です。
- SSL証明書の導入(URLが「https://」で始まる)
- プライバシーポリシーの明記
- 個人情報保護方針の掲示
4. 会社情報の明確な記載
以下の情報が明確に記載されているかチェックしましょう。
- 会社名・代表者名
- 所在地(実在する住所)
- 電話番号・FAX番号
- 設立年・資本金
- 事業内容
- 許認可番号(必要な業種の場合)
5. 資格・認証マークの表示
業界団体への加盟、ISO認証、プライバシーマークなど、第三者からの評価を示します。
6. メディア掲載実績
新聞、雑誌、テレビなどのメディアに掲載された実績があれば、積極的にアピールしましょう。
7. 定期的な情報発信
ブログやお知らせが定期的に更新されていると、「ちゃんと運営されている会社」という印象を与えます。最終更新日が1年以上前だと、逆効果です。
【決定的な違い4】フォームの最適化
せっかくユーザーが問い合わせフォームまで来てくれても、入力が面倒だったり、エラーが出たりすると、そこで離脱してしまいます。フォーム最適化(EFO: Entry Form Optimization)は、コンバージョン率を大きく左右する重要な要素です。
離脱されないフォームの10のポイント
1. 入力項目を最小限にする
入力項目が1つ増えるごとに、離脱率が高まります。本当に必要な情報だけを聞きましょう。
必須項目の目安:
- お名前(姓名)
- メールアドレス
- 電話番号(任意も可)
- お問い合わせ内容
不要な項目例:FAX番号、会社の従業員数、詳細な住所(初回問い合わせ時)
2. 必須・任意を明確にする
どの項目が必須で、どの項目が任意なのかを、*マークや「必須」「任意」のラベルで明確に示します。
3. 入力例・ヒントを表示
プレースホルダー(入力欄内のヒントテキスト)や、入力例を表示することで、ユーザーの迷いを減らします。
例:電話番号欄に「例:090-1234-5678」と表示
4. リアルタイムバリデーション
入力内容にエラーがあった場合、送信ボタンを押してから教えるのではなく、入力中にリアルタイムで教えると離脱率が下がります。
例:メールアドレスの形式が間違っている場合、その場で「正しい形式で入力してください」と表示
5. スマホ対応の最適化
現在、問い合わせフォームへのアクセスの多くがスマートフォンからです。
- 電話番号入力欄は数字キーボードが自動で開くようにする
- 郵便番号から住所を自動入力する機能を実装
- ボタンは指で押しやすい大きさ(最低44×44px)にする
- ズーム禁止設定を避け、必要に応じて拡大できるようにする
6. 確認画面を省略する(または選択制にする)
最近のトレンドは、確認画面を省略し、入力画面で全ての確認ができるようにすることです。ステップが1つ減ることで、離脱率が下がります。
7. 入力進捗を表示
複数ステップのフォームの場合、「ステップ1/3」のように進捗を表示すると、「あとどれくらいで終わるか」が分かり、離脱を防げます。
8. 自動保存機能
途中で離脱しても、再訪問時に入力内容が復元されると、ユーザー体験が大幅に向上します(個人情報の取り扱いには注意)。
9. 送信ボタンのデザイン
送信ボタンは、フォーム内で最も目立つ色・サイズにします。文言も「送信」ではなく、「 無料相談に申し込む」のように具体的にします。
10. 完了画面の最適化
送信完了後、「ありがとうございました」だけで終わらせず、次のアクションを促します。
- 「3営業日以内に返信します」など、次のステップを明示
- SNSのフォローを促す
- 関連サービスへのリンクを設置
- 自動返信メールで再度感謝を伝える
フォーム改善の効果測定方法
Googleアナリティクスの「イベントトラッキング」や「フォーム分析ツール」を使うと、どの項目で離脱が多いかが分かります。データに基づいて改善を繰り返すことが重要です。
【決定的な違い5】ファーストビューの訴求力
ファーストビュー(First View)とは、ユーザーがサイトに訪れた瞬間、スクロールせずに見える範囲のことです。3秒以内に興味を持ってもらえなければ、ユーザーは離脱してしまいます。
効果的なファーストビューの5つの要素
1. キャッチコピー
「このサイトは自分のためのものだ」と3秒で理解してもらえるキャッチコピーが必要です。
悪い例:
「私たちは最高品質のサービスを提供します」(抽象的で誰にでも当てはまる)
良い例:
「大分県内の中小企業専門|月額3万円から始められるホームページ制作」(ターゲットと価値が明確)
2. メインビジュアル
キャッチコピーを補完し、サービスのイメージを伝える画像や動画を配置します。
- 実際の商品・サービスの写真を使う(フリー素材より効果的)
- ターゲットユーザーが共感できるシーンを選ぶ
- 明るく、清潔感のある印象の画像を選ぶ
3. 明確なCTA
ファーストビュー内に、最も重要なCTAボタンを配置します。多くのユーザーは、スクロールせずに問い合わせボタンを探します。
4. 信頼の証
導入実績数、受賞歴、メディア掲載実績など、パッと見で信頼できる要素を盛り込みます。
例:「 大分県内500社の導入実績」「 〇〇賞受賞」
5. ベネフィットの提示
ユーザーが得られる具体的なメリットを、箇条書きで3〜5個提示します。
- 月間問い合わせ数が大幅に増加
- スマホ対応で離脱率を削減
- SEO対策で検索順位1ページ目を実現
ファーストビューでやってはいけないこと
- 画像だけで何も情報がない: 美しい画像だけで終わっていないか?
- スライダーが多すぎる: 5秒以上見ないと情報が伝わらないスライダーは逆効果
- 読み込みが遅い: 3秒以内に表示されないと離脱率が急上昇
今すぐできる改善チェックリスト
ここまで解説した内容を踏まえ、あなたのホームページが問い合わせを獲得できる状態になっているか、以下のチェックリストで確認してみましょう。
導線設計チェック
CTAチェック
信頼性チェック
フォームチェック
ファーストビューチェック
チェック数による診断
- 25〜27個: 優秀! 問い合わせを獲得できる状態です。さらに細かい改善でコンバージョン率アップを目指しましょう。
- 20〜24個: 良好 基本はできています。チェックが入らなかった項目を優先的に改善しましょう。
- 15〜19個: 要改善 問い合わせ数を増やせる余地が大きくあります。特に「CTAの配置」「フォーム最適化」を見直しましょう。
- 14個以下: 早急に改善が必要 プロの制作会社への相談も検討しましょう。
まとめ
問い合わせが来るホームページと来ないホームページの決定的な違いは、ユーザーの行動心理を考慮した戦略的な設計ができているかどうかです。
本記事のポイント
- 導線設計: ゴールまでの距離を短く、迷わせないナビゲーション、段階的なCTA配置
- CTA最適化: 視認性、配置、文言、ベネフィット明示、心理的ハードルを下げる
- 信頼性: 実績掲載、顔写真、セキュリティ対策、会社情報の明記、定期的な情報発信
- フォーム最適化: 入力項目の最小化、スマホ対応、リアルタイムバリデーション
- ファーストビュー: 3秒で伝わるキャッチコピー、明確なCTA、信頼の証
これらの要素は、どれか1つだけを改善すれば良いというものではありません。全体のバランスが重要です。まずはチェックリストで現状を把握し、優先度の高い項目から改善を進めていきましょう。