構造化データとは?
構造化データとは、Webページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で記述したものです。schema.orgという共通の語彙を使って、「このページは何について書かれているのか」「この会社の住所はどこか」「この商品の価格はいくらか」といった情報を明確に伝えることができます。
わかりやすく例えると
人間は文脈から「〒870-0000 大分市...」が住所だと理解できますが、検索エンジンはそれが住所なのか電話番号なのか判断できません。構造化データは「これは住所です」「これは電話番号です」とラベルを付けて教えてあげる仕組みです。
構造化データの記述形式
構造化データには主に3つの記述形式がありますが、JSON-LD形式がGoogleも推奨する現在の主流です。
- JSON-LD(推奨):HTMLとは別にscriptタグ内に記述。最も読みやすく管理しやすい
- Microdata:HTML要素に属性を追加する形式。やや複雑
- RDFa:W3C標準だが、現在はあまり使われない
JSON-LD形式の基本例(ローカルビジネス)
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "LocalBusiness",
"name": "余日(Yojitsu)",
"telephone": "097-XXX-XXXX",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"addressRegion": "大分県",
"addressCountry": "JP"
}
}
</script>構造化データのSEO効果
構造化データを実装することで、検索結果での表示が大きく変わります。これをリッチリザルト(リッチスニペット)と呼びます。
リッチリザルトの例
星評価(レビュー)
商品やサービスの評価が星マークで表示され、クリック率が大幅に向上します。
FAQ
よくある質問が検索結果に直接表示され、ユーザーの疑問に即座に回答できます。
パンくずリスト
サイト階層が検索結果に表示され、ユーザーがサイト構造を理解しやすくなります。
イベント
日時、場所、チケット情報などがカード形式で目立つように表示されます。
期待できる効果
- クリック率(CTR)の向上:リッチリザルトは通常の検索結果より目立つため、クリックされやすい
- 検索エンジンの理解度向上:ページ内容を正確に伝えることで、適切なクエリで表示されやすくなる
- 音声検索への対応:構造化データがあると、音声アシスタントが情報を読み上げやすくなる
- AI Overview(SGE)対策:GoogleのAI回答で引用されやすくなる可能性がある
注意点
構造化データを実装しても、リッチリザルトが表示される保証はありません。Googleは独自の判断で表示を決定します。また、構造化データ自体は直接的なランキング要因ではありませんが、CTR向上による間接的な効果は期待できます。
主な構造化データの種類
ビジネスでよく使われる構造化データの種類を紹介します。
1. LocalBusiness(ローカルビジネス)
店舗や事務所など、実店舗を持つビジネスに最適です。Googleマップとの連携も期待できます。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "LocalBusiness",
"name": "店舗名",
"image": "https://example.com/logo.png",
"telephone": "097-XXX-XXXX",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "大分市XX町1-2-3",
"addressLocality": "大分市",
"addressRegion": "大分県",
"postalCode": "870-0000",
"addressCountry": "JP"
},
"geo": {
"@type": "GeoCoordinates",
"latitude": 33.2382,
"longitude": 131.6126
},
"openingHoursSpecification": {
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday", "Tuesday", "Wednesday", "Thursday", "Friday"],
"opens": "09:00",
"closes": "18:00"
}
}2. Product(商品)
ECサイトや商品紹介ページで使用します。価格、在庫状況、レビューなどを表示できます。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Product",
"name": "商品名",
"image": "https://example.com/product.jpg",
"description": "商品の説明文",
"brand": {
"@type": "Brand",
"name": "ブランド名"
},
"offers": {
"@type": "Offer",
"price": "3000",
"priceCurrency": "JPY",
"availability": "https://schema.org/InStock"
},
"aggregateRating": {
"@type": "AggregateRating",
"ratingValue": "4.5",
"reviewCount": "24"
}
}3. FAQPage(よくある質問)
FAQページで使用します。検索結果にQ&Aが直接表示される可能性があります。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "料金はいくらですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "10万円からご利用いただけます。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "制作期間はどのくらいですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "通常1〜2ヶ月程度です。"
}
}
]
}4. Article / BlogPosting(記事)
ブログ記事やニュース記事で使用します。著者情報、公開日、更新日などを明示できます。
5. BreadcrumbList(パンくずリスト)
サイトの階層構造を検索エンジンに伝えます。検索結果でURLの代わりにパンくずが表示されます。
6. Organization(組織)
企業や団体の情報を記述します。ロゴ、ソーシャルリンク、連絡先などを含められます。
参考:schema.org 全スキーマ一覧 - すべての構造化データ種類を確認できます
構造化データの実装方法
ステップ1:必要な構造化データを決める
ページの種類に応じて、適切な構造化データを選びます。
| ページの種類 | 推奨する構造化データ |
|---|---|
| トップページ | Organization, LocalBusiness, WebSite |
| サービスページ | Service, Offer |
| ブログ記事 | Article, BlogPosting, BreadcrumbList |
| 商品ページ | Product, Offer, AggregateRating |
| FAQページ | FAQPage |
| お問い合わせ | ContactPage |
ステップ2:JSON-LDを作成する
schema.orgの仕様に沿って、JSON-LD形式でデータを作成します。
便利なツール
- Google構造化データマークアップ支援ツール:URLを入力してGUI上でマークアップできる
- Schema.org Generator:フォームに入力するだけでJSON-LDを生成
- ChatGPT / Claude:「〇〇の構造化データをJSON-LDで作成して」と依頼すると作成してくれる
ステップ3:HTMLに埋め込む
作成したJSON-LDを、HTMLの<head>タグ内または<body>タグの最後に配置します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>ページタイトル</title>
<!-- 構造化データ -->
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "LocalBusiness",
"name": "店舗名",
...
}
</script>
</head>
<body>
...
</body>
</html>ステップ4:テストと検証
実装後は必ずテストツールで確認します。
構造化データのテスト方法
1. リッチリザルトテスト(Google公式)
URLまたはコードを入力して、リッチリザルトが表示される可能性があるかをテストします。
2. スキーママークアップ検証ツール(Schema.org)
構造化データの文法エラーをチェックします。Googleツールより詳細なエラー情報が得られます。
3. Google Search Console
実際にGoogleがどのように構造化データを認識しているかを確認できます。エラーや警告がある場合は通知されます。
よくあるエラーと対処法
- 「必須プロパティがありません」:必須項目(name, imageなど)が不足している → 追加する
- 「無効なURL」:URLが不正または404 → 正しいURLに修正
- 「画像サイズが小さすぎます」:Productなどは最低50x50px必要 → 大きい画像を使用
- 「日付形式が無効」:ISO 8601形式(2025-11-20T10:00:00+09:00)で記述
構造化データでよくある間違い
1. ページ内容と一致しない情報を記述
構造化データの内容は、実際のページに表示されている情報と一致している必要があります。例えば、ページに表示されていない価格を構造化データに記述すると、スパムとみなされる可能性があります。
2. 過剰なマークアップ
ページに関係のない構造化データを大量に追加しても効果はありません。そのページに関連するものだけを実装しましょう。
3. 自己評価のレビュー
自社サービスに自分で5つ星をつけるなど、虚偽のレビューを構造化データに記述することはGoogleのガイドライン違反です。
4. 古い情報の放置
価格変更、営業時間変更などがあった場合、構造化データも更新する必要があります。定期的にチェックしましょう。
5. JSON文法エラー
カンマの付け忘れ、閉じカッコの不足などの文法エラーがあると、構造化データは完全に無視されます。必ずテストツールで検証しましょう。
構造化データ実装のベストプラクティス
必須プロパティを確実に含める
各スキーマタイプには必須プロパティがあります。リッチリザルトテストで「必須」と表示される項目は必ず含めましょう。
推奨プロパティも可能な限り追加
「推奨」と表示されるプロパティを追加すると、より詳細な情報が提供でき、リッチリザルトの表示確率が上がります。
複数の構造化データを組み合わせる
1ページに複数の構造化データを実装できます。例:Organization + BreadcrumbList + FAQPage
定期的に検証する
Googleのガイドラインは変更されることがあります。Search Consoleで定期的にエラーをチェックしましょう。
具体的で正確な情報を記述
曖昧な情報より、具体的な情報の方がリッチリザルトに表示されやすくなります。
まとめ
構造化データは、検索エンジンにページ内容を正確に伝えるための重要な技術です。適切に実装することで、リッチリザルトによる視認性向上、クリック率の改善、音声検索やAI検索への対応が期待できます。
この記事のポイント
- 構造化データとは:検索エンジンが理解しやすい形式でページ内容を記述したもの
- 形式:JSON-LD形式がGoogleも推奨する主流
- 効果:リッチリザルト表示によるCTR向上、AI検索対策
- 主な種類:LocalBusiness、Product、FAQPage、Articleなど
- 実装手順:種類を決める → 作成 → 埋め込む → テスト
- 注意点:ページ内容と一致させる、文法エラーに注意、定期的に更新
次のアクション
- 自社サイトの各ページに必要な構造化データの種類を洗い出す
- まずはトップページにLocalBusinessまたはOrganizationを実装
- リッチリザルトテストで検証
- Google Search Consoleでエラーがないか確認
- 他のページにも順次実装を広げる
参考文献・データソース
- Google Search Central「構造化データの仕組み」(公式ドキュメント・実装ガイド・リッチリザルトの種類)
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data - Schema.org「公式スキーマドキュメント」(構造化データの最新仕様・タイプ定義)
https://schema.org/ - Google Search Central「LocalBusinessはワル」(ローカルビジネス構造化データ)
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/local-business - Google Search Central「Product构造化データ」(商品情報・レビュー表示)
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/product - Google Search Central「FAQ构造化データ」(よくある質問・リッチリザルト)
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/faqpage - Google Rich Results Test「リッチリザルトテスト」(構造化データの検証ツール)
https://search.google.com/test/rich-results - Google Schema Markup Validator「构造化データマークアップテスト」(検証ツール)
https://validator.schema.org/