ホームページを制作する際、多くの企業が「デザイン」や「機能」に注目しがちですが、SEO対策を最初から組み込むことが、長期的な成功には欠かせません。なぜなら、どんなに素晴らしいデザインのサイトを作っても、検索エンジンで見つけてもらえなければ、ビジネスの成果につながらないからです。
「SEO対策って難しそう」「専門知識が必要なのでは?」と思われるかもしれませんが、実はホームページ制作時に押さえるべきSEOの基本は、それほど複雑ではありません。初心者の方でも実践できる、重要なポイントがいくつかあります。
本記事では、ホームページ制作時に最初から組み込むべきSEO対策を、初心者向けに体系的に解説します。大分県内でビジネスを展開されている企業様にも役立つ、地域SEO対策も含めてご紹介します。
SEOとは?なぜホームページ制作時に重要なのか
SEOの基礎知識
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自社のサイトを上位に表示させるための施策です。
日本の検索エンジン市場では、Googleが約77%のシェアを占めており、SEO対策は実質的に「Google対策」と言えます。
制作時にSEO対策が重要な理由
SEO対策は、後から追加するより、最初から組み込む方が圧倒的に効率的です。
- 構造的な問題は後から修正が困難:サイト構造、URL設計、内部リンクなど
- コストと時間の節約:後からの大幅な改修は費用と時間がかかる
- 早期の成果:公開直後から効果を発揮できる
- 競合優位性:多くのサイトはSEOを後回しにしている
Googleが評価するポイント
Googleは、ユーザーにとって最も有益で関連性の高いページを上位表示します。主な評価基準は:
- コンテンツの質:オリジナルで有益な情報
- ユーザー体験:使いやすく、表示が速い
- 技術的な最適化:モバイル対応、セキュリティ、構造化データ
- 権威性・信頼性:被リンク、専門性、運営者情報
これらを踏まえて、具体的な対策を見ていきましょう。
制作段階でのSEO対策10選
1. サイト構造の設計
サイト構造は、SEOの土台となる重要な要素です。
理想的なサイト構造
- 階層は3階層まで:トップページ → カテゴリページ → 詳細ページ
- パンくずリストの設置:ユーザーと検索エンジンに現在位置を伝える
- 論理的なカテゴリ分け:関連するページはまとめる
- 全ページが3クリック以内:トップページから3クリック以内で全ページにアクセス可能に
良いサイト構造の例
トップページ(example.com)
├─ サービス(/services/)
│ ├─ Web制作(/services/web-production/)
│ ├─ SEO対策(/services/seo/)
│ └─ 動画制作(/services/video/)
├─ 実績(/works/)
├─ ブログ(/blog/)
└─ お問い合わせ(/contact/)2. URL設計
URLは、シンプルで意味のあるものにしましょう。
良いURL設計
- ❌ 悪い例:
example.com/page?id=123 - ✅ 良い例:
example.com/blog/seo-basics
URLのベストプラクティス
- 英数字と区切り文字(-)のみ使用
- 短くわかりやすい
- キーワードを含める(自然な範囲で)
- 階層構造を反映
- 日本語URLは避ける(エンコードされると長くなる)
3. タイトルタグの最適化
タイトルタグ(<title>)は、SEOで最も重要な要素の一つです。
タイトルタグのルール
- 文字数:30〜35文字(スマホは28文字程度)
- キーワード配置:狙うキーワードを前半に
- ページごとにユニーク:すべてのページで異なるタイトルを
- 魅力的な文言:クリックしたくなる表現を
タイトルタグの例
- ❌ 悪い例:「ホームページ | 株式会社〇〇」(キーワードなし、魅力なし)
- ✅ 良い例:「大分市のホームページ制作|月額5万円〜|株式会社〇〇」
詳しくは「 SEO対策の基本5つのポイント」をご覧ください。
4. メタディスクリプションの設定
メタディスクリプションは、検索結果に表示される説明文です。直接的なSEO効果はありませんが、クリック率に大きく影響します。
メタディスクリプションのルール
- 文字数:120文字前後(スマホは70文字程度)
- キーワードを含める:検索キーワードが太字表示される
- ページ内容を正確に要約:誇大表現は避ける
- 行動を促す:「詳しくはこちら」「無料で確認」など
5. 見出しタグ(H1〜H6)の適切な使用
見出しタグは、コンテンツの構造を検索エンジンに伝える重要な要素です。
見出しタグのルール
- H1はページに1つだけ:ページの主題を表す
- 階層構造を守る:H1 → H2 → H3 の順に使う(H2の次にH4はNG)
- キーワードを含める:自然な範囲で
- 内容を正確に表す:「詳細はこちら」ではなく具体的に
見出しタグの使用例
<h1>大分市のホームページ制作|余日</h1>
<h2>私たちのサービス</h2>
<h3>ホームページ制作</h3>
<h3>SEO対策</h3>
<h2>制作の流れ</h2>
<h3>ヒアリング</h3>
<h3>デザイン制作</h3>6. 画像の最適化
画像は、表示速度とアクセシビリティの観点から最適化が必要です。
画像最適化のポイント
- ファイルサイズの圧縮:TinyPNGなどで圧縮
- 適切なフォーマット:写真はJPEG、イラストはPNG、次世代フォーマットはWebP
- alt属性の設定:画像の内容を説明する文章を記述
- 適切なサイズ:表示サイズに合わせた画像サイズ
- 遅延読み込み:loading="lazy"属性の使用
alt属性の例
- ❌ 悪い例:
<img src="image.jpg" alt="画像"> - ✅ 良い例:
<img src="oita-office.jpg" alt="大分市中心部にある当社オフィスの外観">
7. モバイル対応(レスポンシブデザイン)
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、スマホ版のコンテンツが評価の基準となります。
モバイル対応のチェックポイント
- レスポンシブデザイン:画面サイズに応じて自動調整
- タップしやすいボタン:最小48px × 48px
- 読みやすいフォントサイズ:本文16px以上
- 横スクロールさせない:viewport設定を適切に
モバイル対応の確認は、Googleモバイルフレンドリーテストで行えます。
8. ページ表示速度の最適化
表示速度は、ユーザー体験とSEOの両方に影響します。Googleの調査によると、表示に3秒以上かかると、53%のユーザーが離脱します。
表示速度の改善方法
- 画像の最適化(上記)
- CSSとJavaScriptの圧縮・結合
- ブラウザキャッシュの活用
- 不要なプラグイン・スクリプトの削除
- CDNの利用
- 高速なサーバーの選択
表示速度の測定は、PageSpeed Insightsで行えます。
9. SSL化(HTTPS)
SSL化(HTTPS化)は、セキュリティとSEOの両方で必須です。Googleは2014年から、HTTPSをランキング要素として組み込んでいます。
SSL化のメリット
- データの暗号化(セキュリティ向上)
- SEO効果
- ユーザーの信頼性向上
- Chrome等のブラウザで「保護されていません」警告が出ない
多くのレンタルサーバーでは、無料のSSL証明書(Let's Encrypt)が利用できます。
10. XMLサイトマップの作成
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイトの全ページを伝えるファイルです。
XMLサイトマップの作成方法
- WordPress:Google XML Sitemapsプラグインで自動生成
- 静的サイト:XML Sitemap Generatorなどのツールを使用
作成したサイトマップは、Google Search Consoleに登録しましょう。
コンテンツのSEO対策
技術的な対策だけでなく、コンテンツの質も重要です。
1. キーワードリサーチ
コンテンツを作る前に、ターゲットキーワードを明確にすることが重要です。
キーワード選定の手順
- ターゲットユーザーの悩みを洗い出す
- 検索ボリュームを調査:Googleキーワードプランナー
- 競合の難易度を確認:実際に検索して上位サイトを分析
- ロングテールキーワードを狙う:競合が少ない3〜4語の複合キーワード
2. ユーザーの検索意図を満たすコンテンツ
Googleは、検索意図を満たすコンテンツを高く評価します。
検索意図の4タイプ
- 情報収集型:「SEO対策とは」→ 説明記事
- 案内型:「YouTube」→ YouTubeサイトへのリンク
- 取引型:「ホームページ制作 大分」→ サービスページ
- 比較検討型:「WordPress テーマ おすすめ」→ 比較記事
狙うキーワードで実際に検索し、上位10サイトがどんなコンテンツかを確認しましょう。
3. オリジナル性と専門性(E-E-A-T)
Googleは、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を重視しています。
E-E-A-Tを高める方法
- 実体験を書く:「実際に〇〇を試した結果」
- 専門的な知識を提供:業界の専門家として
- 運営者情報を明記:会社概要、プロフィール
- 信頼できる情報源:データには出典を明記
4. 内部リンク戦略
関連する他のページへのリンクを設置することで、サイト全体の評価が向上します。
内部リンクのポイント
- 関連性の高いページ同士をリンク
- アンカーテキストは具体的に(「こちら」ではなく「SEO対策の基本」)
- 重要なページへのリンクを増やす
- リンク切れをチェック
5. コンテンツの定期更新
情報は常に新鮮に保ちましょう。定期的に更新されているサイトは、Googleに評価されます。
更新のポイント
- 最低でも年1回は見直し
- 古いデータを最新に
- 更新日時を明記
- 新しい情報を追加
技術的SEO対策
1. 構造化データ(Schema.org)
構造化データを設置することで、検索結果にリッチスニペット(星評価、パンくず、FAQなど)が表示される可能性があります。
よく使われる構造化データ
- Organization(組織情報)
- LocalBusiness(ローカルビジネス)
- Article(記事)
- BreadcrumbList(パンくずリスト)
- FAQ(よくある質問)
設定後は、リッチリザルトテストで確認しましょう。
2. robots.txtとnoindex
検索エンジンにインデックスさせたくないページ(会員ページ、管理画面など)は、robots.txtやnoindexで制御します。
noindexを使うべきページ
- 低品質なページ
- 重複コンテンツ
- 会員限定ページ
- サンキューページ(フォーム送信後)
3. canonicalタグで重複対策
似たようなページが複数ある場合、canonicalタグで正規ページを指定します。
<link rel="canonical" href="https://example.com/page/" />4. パンくずリストの設置
パンくずリストは、ユーザーと検索エンジンの両方に現在位置を伝える重要な要素です。
パンくずリストの例
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大分県の地域SEO対策
大分県内でビジネスを展開している場合、地域SEO対策(ローカルSEO)が重要です。
1. Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)
Googleビジネスプロフィールに登録すると、Google Maps検索や「〇〇 大分」などの地域検索で表示されやすくなります。
登録すべき情報
- 正確な住所(大分市○○町○○番地)
- 営業時間
- 電話番号
- ウェブサイトURL
- 事業内容の説明
- 写真(外観、内観、商品など)
2. NAP情報の統一
NAP(Name、Address、Phone)情報をサイト全体、SNS、ポータルサイトで統一しましょう。
NAP情報の例
- Name:株式会社余日
- Address:大分県大分市○○町1-2-3
- Phone:097-XXX-XXXX
表記のブレ(「大分市」と「大分県大分市」)がないよう注意しましょう。
3. 地域キーワードの活用
タイトル、見出し、本文に地域名を自然に含めることで、地域検索で上位表示されやすくなります。
地域キーワードの例
- 「大分 ホームページ制作」
- 「大分市 SEO対策」
- 「別府 動画制作」
- 「大分県 Web制作会社」
4. 地域に関するコンテンツの作成
大分県に関連するブログ記事やニュースを発信しましょう。
コンテンツ例
- 「大分市の企業様向けホームページ制作事例」
- 「大分県のデジタル化支援補助金情報」
- 「別府市の観光業界向けSEO対策」
5. 地域の被リンク獲得
大分県内の地域ポータルサイト、商工会議所、業界団体などからリンクを獲得しましょう。
被リンク獲得先の例
- 大分県商工会議所
- 大分市のポータルサイト
- 地元メディアのプレスリリース
- 業界団体のサイト
SEOツールの紹介
効率的にSEO対策を進めるためのツールをご紹介します。
無料ツール
1. Google Search Console
Google Search Consoleは、Googleが提供する無料の分析ツールです。
- 検索順位の確認
- クリック率(CTR)の確認
- インデックス状況の確認
- エラーの検出
2. Google Analytics
Google Analyticsで、サイトへのアクセス状況を分析できます。
- 訪問者数、ページビュー
- 流入元(検索、SNS、直接など)
- ユーザーの行動分析
- コンバージョン測定
3. Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーで、キーワードの検索ボリュームを調査できます。
4. PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsで、サイトの表示速度を測定できます。
有料ツール
1. Ahrefs
Ahrefsは、被リンク分析やキーワード調査に強いツールです(月額$99〜)。
2. SEMrush
SEMrushは、競合分析に優れたツールです(月額$119.95〜)。
3. Moz Pro
Moz Proは、総合的なSEOツールです(月額$99〜)。
SEO対策のチェックリスト
ホームページ制作時に確認すべきSEO対策をチェックリストにまとめました。
技術的SEO
- ☐ サイト構造が3階層以内
- ☐ URL設計がシンプルでわかりやすい
- ☐ 全ページにユニークなタイトルタグ
- ☐ 全ページにメタディスクリプション
- ☐ 見出しタグ(H1〜H6)を適切に使用
- ☐ 画像にalt属性を設定
- ☐ モバイル対応(レスポンシブデザイン)
- ☐ ページ表示速度が高速
- ☐ SSL化(HTTPS)
- ☐ XMLサイトマップを作成・登録
- ☐ robots.txtを設定
- ☐ パンくずリストを設置
コンテンツSEO
- ☐ キーワードリサーチを実施
- ☐ 検索意図を満たすコンテンツ
- ☐ オリジナルで質の高い情報
- ☐ 適切な文章量(3,000文字以上が目安)
- ☐ 内部リンクを設置
- ☐ 定期的な更新計画
地域SEO(大分県の場合)
- ☐ Googleビジネスプロフィールに登録
- ☐ NAP情報を統一
- ☐ 地域キーワードを活用
- ☐ 地域コンテンツを作成
ツール設定
- ☐ Google Search Consoleに登録
- ☐ Google Analyticsを設置
よくある間違い
初心者が陥りやすいSEOの間違いをご紹介します。
1. キーワードの詰め込み
❌ 不自然にキーワードを繰り返すのはNG。Googleはペナルティを科す場合があります。
2. 低品質な被リンク購入
❌ 質の低いサイトからのリンクは逆効果。自然な被リンク獲得を目指しましょう。
3. コンテンツのコピー
❌ 他サイトの文章をコピーするのは厳禁。必ずオリジナルのコンテンツを作成しましょう。
4. モバイル対応の軽視
❌ PC版だけでなく、スマホ版も重要です。
5. 短期的な成果を期待
❌ SEOは長期戦。3〜6ヶ月は継続しましょう。
まとめ:制作時からSEOを意識しよう
本記事では、ホームページ制作時に押さえるべきSEO対策を解説しました。
- 制作段階の対策:サイト構造、URL、タイトル、モバイル対応など
- コンテンツSEO:キーワードリサーチ、質の高いコンテンツ、内部リンク
- 技術的SEO:構造化データ、表示速度、SSL化
- 地域SEO:Googleビジネスプロフィール、NAP統一、地域キーワード
- ツール活用:Google Search Console、Analyticsなど
- StatCounter Global Stats
日本の検索エンジン市場シェアデータ(Google約77%シェア)
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan - Google Search Central
Google公式のSEOガイド・ベストプラクティス・技術文書
https://developers.google.com/search - Google Analytics・Search Console
Google公式のアクセス解析・検索パフ©;ーマンス分析ツール
https://analytics.google.com/
https://search.google.com/search-console - PageSpeed Insights・モバイルフレンドリーテスト
Google公式のサイト速度・モバイル対応の検証ツール
https://pagespeed.web.dev/
https://search.google.com/test/mobile-friendly
参考文献・データソース
本記事で紹介したSEOの統計データ・対策方法は、以下の信頼できる情報源に基づいています(2024-2025年):
SEO対策は、後から追加するより、制作時から組み込む方が効率的です。本記事で紹介したチェックリストを活用して、SEOに強いホームページを構築しましょう。
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