「ホームページを作りたいけれど、制作費用をかけたくない」「まずは無料で試してみたい」——ホームページ制作を検討している個人事業主や小規模事業者の方から、このようなご相談をよくいただきます。
実は現在、無料で使える優れたホームページ制作ツールが数多く存在します。プログラミングの知識がなくても、直感的な操作でプロ並みのホームページを作ることができる時代になりました。
本記事では、Web制作のプロフェッショナルである余日(yojitsu)の山田 蓮が、無料で使えるホームページ制作ツール10選を初心者向けに徹底解説。各ツールの特徴、メリット・デメリット、おすすめの使い方まで、実践的な情報をお届けします。
1. 無料ツールのメリット・デメリット
まずは、無料のホームページ制作ツールを使う上でのメリットとデメリットを理解しておきましょう。
1-1. メリット
無料ツールの主なメリット
- 初期費用ゼロ:無料プランなら一切費用をかけずに始められる
- 即座に開始:思い立ったらすぐに制作を始められる
- 簡単操作:プログラミング知識が不要、直感的な操作で作成可能
- テンプレート豊富:プロがデザインしたテンプレートが使える
- 更新が簡単:自分で好きな時に更新できる
- リスクフリー:合わなければやめればいいだけ、リスクがない
- 学習機会:Web制作の基礎を学べる
1-2. デメリット
無料ツールの主なデメリット
- 機能制限:無料プランでは使える機能が限られる
- 広告表示:サービスの広告が表示されることが多い
- 独自ドメイン非対応:無料プランでは独自ドメインが使えないことが多い(例:yoursite.wixsite.com)
- 容量制限:画像や動画のアップロード容量に制限がある
- カスタマイズ制限:デザインや機能のカスタマイズに限界がある
- サポート制限:無料プランではサポートが限定的
- SEO制約:SEO対策に一部制約がある場合も
- 時間コスト:自分で作る時間と労力が必要
2. Webサイトビルダー
Webサイトビルダーは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でホームページを作成できるツールです。プログラミング知識が一切不要で、初心者に最もおすすめです。
1. Wix(ウィックス)
初心者向け テンプレート豊富 日本語対応概要
世界で最も人気のあるWebサイトビルダーの一つ。800以上のテンプレートと豊富な機能で、あらゆる種類のホームページを作成できます。
主な特徴
- 豊富なテンプレート:業種別に最適化された800以上のデザイン
- AI機能:Wix ADIが質問に答えるだけで自動でサイトを作成
- ドラッグ&ドロップ:直感的な操作で自由にデザイン
- アプリ市場:様々な機能を追加できるApp Market
- SEO機能:基本的なSEO設定が可能
- デザインの自由度が高い
- テンプレートが豊富
- 日本語サポートあり
- 学習コンテンツが充実
- テンプレート変更不可
- 無料版は広告表示あり
- ページ表示速度がやや遅い
- 他サービスへの移行困難
無料プランの制約
- Wixの広告が表示される
- 独自ドメイン使用不可(yoursite.wixsite.com形式)
- ストレージ容量:500MB
- 帯域幅:500MB/月
有料プラン
月額500円〜(広告非表示、独自ドメイン利用可能)
おすすめ用途
ポートフォリオサイト、小規模なコーポレートサイト、個人ブログ、イベントサイト
2. Jimdo(ジンドゥー)
初心者向け シンプル 日本語対応概要
ドイツ発のWebサイトビルダーで、日本ではKDDIが運営。シンプルで使いやすいことが特徴で、Web初心者に人気があります。
主な特徴
- 2つの作成方法:AIビルダーとクリエイター(自由編集)
- シンプルな操作:必要最小限の機能で迷わない
- 日本語サポート:電話やメールでのサポートあり(有料プラン)
- スマホアプリ:スマホからも編集可能
- SEO機能:基本的なSEO設定が可能
- シンプルで迷わない
- 日本語サポートが充実
- スマホからも編集できる
- 立ち上げが速い
- デザインの自由度が低い
- テンプレート数が少ない
- 機能拡張に制約
- 高度なカスタマイズ不可
無料プランの制約
- Jimdoの広告が表示される
- 独自ドメイン使用不可(yoursite.jimdofree.com形式)
- ストレージ容量:500MB
- サーバー容量:2GB
有料プラン
月額990円〜(広告非表示、独自ドメイン利用可能)
おすすめ用途
個人事業主のサイト、小規模店舗のサイト、名刺代わりのサイト
3. STUDIO(スタジオ)
デザイン重視 コード不要 日本製概要
日本発のノーコードWebデザインツール。デザイン性の高さが特徴で、コードを書かずにプロ並みのサイトを作成できます。
主な特徴
- 高いデザイン性:洗練されたデザインのサイトが作れる
- 直感的な操作:デザインツールのような感覚で制作
- アニメーション:動きのあるサイトが簡単に作れる
- CMS機能:ブログやニュースの更新が簡単
- レスポンシブ:スマホ対応も自動
- デザインの自由度が高い
- モダンなサイトが作れる
- 日本語サポートあり
- 学習コミュニティが充実
- 初心者には少し難しい
- テンプレート数が少ない
- 学習コストがかかる
- 無料版の制約が大きい
無料プランの制約
- STUDIOのサブドメイン(yoursite.studio.site)
- 月間10,000PVまで
- CMS機能は3件まで
- フォーム送信は月10件まで
有料プラン
月額980円〜(独自ドメイン利用可能、制限解除)
おすすめ用途
デザイン重視のコーポレートサイト、ポートフォリオサイト、ランディングページ
4. ペライチ
1ページ特化 簡単 日本製概要
日本発の1ページ完結型ホームページ作成サービス。とにかく簡単にホームページを作りたい方に最適です。
主な特徴
- 1ページ特化:シンプルな1ページサイトに最適
- 超簡単操作:3ステップで公開可能
- 決済機能:有料プランで決済機能を追加可能
- 予約システム:予約受付機能も使える
- 日本語サポート:充実したサポート体制
- とにかく簡単
- 1ページなら最速で作れる
- 日本のサービスで安心
- セミナーや講座が豊富
- 複数ページサイトには不向き
- デザインの自由度が低い
- 無料版は1ページのみ
- SEO機能が限定的
無料プランの制約
- 公開ページは1ページのみ
- ペライチのサブドメイン
- ペライチの広告表示
- 機能制限あり
有料プラン
月額1,465円〜(複数ページ作成可能)
おすすめ用途
ランディングページ、イベントページ、キャンペーンページ、簡易的な店舗サイト
3. CMS(コンテンツ管理システム)
CMSは、ブログやニュースなどのコンテンツを管理するシステムです。更新頻度が高いサイトに適しています。
5. WordPress.com
世界シェアNo.1 カスタマイズ自由 ブログ向け概要
世界で最も使われているCMS。拡張性とカスタマイズ性に優れ、小規模サイトから大規模サイトまで対応できます。
主な特徴
- 豊富なテーマ:数千種類のデザインテーマ
- プラグイン:機能を拡張できる(有料プランのみ)
- ブログ機能:ブログに最適化された機能
- SEO対応:SEOに強い構造
- コミュニティ:世界中に膨大なユーザーコミュニティ
- 世界標準で情報が豊富
- 拡張性が非常に高い
- SEOに強い
- ブログ機能が充実
- 初心者には少し難しい
- 無料版は機能制限大
- カスタマイズには知識必要
- セキュリティ対策が必要
無料プランの制約
- WordPress.comの広告表示
- 独自ドメイン使用不可(yoursite.wordpress.com)
- ストレージ容量:3GB
- プラグイン使用不可
- テーマのカスタマイズ制限
有料プラン
月額400円〜(広告非表示、独自ドメイン利用可能)
おすすめ用途
ブログ、ニュースサイト、コーポレートサイト、メディアサイト
6. Blogger(ブロガー)
Google製 完全無料 ブログ特化概要
Googleが提供する無料ブログサービス。完全無料で広告もなく、シンプルにブログを始めたい方に最適です。
主な特徴
- 完全無料:すべての機能が無料で使える
- 広告なし:強制広告の表示がない
- Google連携:Google Analyticsなどと簡単連携
- 独自ドメイン対応:無料でも独自ドメイン使用可能
- 安定性:Googleのインフラで安定稼働
- 完全無料で広告なし
- Google連携が簡単
- 安定した稼働
- 独自ドメイン無料対応
- デザインの自由度が低い
- 機能が限定的
- カスタマイズには知識必要
- サービス終了のリスク
無料プランの特徴
- 完全無料で使える
- 独自ドメインも設定可能(ドメイン料金は別途)
- 強制広告なし
- Google Adsenseで収益化可能
おすすめ用途
個人ブログ、日記、趣味のサイト、情報発信サイト
4. デザインツール
ホームページ制作に必要な画像やバナーを作成するツールです。
7. Canva(キャンバ)
デザイン作成 初心者向け テンプレート豊富概要
オンラインのグラフィックデザインツール。バナー画像やSNS投稿画像を簡単に作成できます。
主な特徴
- 豊富なテンプレート:25万点以上のテンプレート
- ドラッグ&ドロップ:直感的な操作でデザイン作成
- 素材が豊富:写真、イラスト、アイコンなど
- 日本語対応:日本語フォントも充実
- 共同編集:チームでの共同作業が可能
無料プランでできること
- 25万点のテンプレート使用
- 100種類以上のデザインタイプ
- 数十万点の無料写真・グラフィック
- 5GBのクラウドストレージ
有料プラン
月額1,500円〜(Pro:素材無制限、背景透過など)
おすすめ用途
ヘッダー画像、バナー、SNS投稿画像、プレゼン資料、名刺
8. Figma(フィグマ)
プロ向け 共同編集 デザインツール概要
プロのデザイナーも使う本格的なデザインツール。Webデザインのプロトタイプ作成に最適です。
主な特徴
- 本格的なデザイン:プロレベルのデザインが可能
- 共同編集:リアルタイムで複数人が編集可能
- プロトタイプ:動くプロトタイプが作れる
- コード出力:CSS、iOSコードの確認が可能
- プラグイン:機能を拡張できる
無料プランでできること
- 無制限のファイル作成(3ファイルまで編集可能)
- 無制限の共同編集者
- プロトタイプ作成
- モバイルアプリでの閲覧
有料プラン
月額$12〜(Professional:無制限のファイル編集)
おすすめ用途
Webデザインの設計、UIデザイン、プロトタイプ作成
5. 画像素材サイト
ホームページに使える高品質な写真素材を無料でダウンロードできるサイトです。
9. Unsplash(アンスプラッシュ)
高品質写真 商用利用可 クレジット不要概要
世界中のフォトグラファーが投稿する高品質な写真素材が無料で使えるサイト。
主な特徴
- 高品質:プロクオリティの写真が豊富
- 商用利用可:ビジネス目的でも無料で使用可能
- クレジット不要:著作権表記なしで利用できる
- 豊富な種類:あらゆるジャンルの写真
- 高解像度:大きなサイズでも使える
利用条件
- 完全無料
- 商用利用可能
- クレジット表記不要(推奨)
- 加工・編集自由
おすすめ用途
ヘッダー画像、記事のアイキャッチ、背景画像
10. 写真AC
日本の写真 商用利用可 日本人モデル概要
日本最大級のフリー写真素材サイト。日本人モデルや日本の風景など、日本向けの素材が豊富です。
主な特徴
- 日本向け素材:日本人モデル、日本の風景が豊富
- 商用利用可:ビジネス目的でも無料で使用可能
- 日本語検索:日本語でスムーズに検索
- 豊富なカテゴリ:ビジネス、飲食、医療など
- 定期更新:毎日新しい写真が追加
無料プランの制約
- 1日のダウンロード制限あり(9点まで)
- 検索回数制限あり(5回まで)
- ダウンロード時に待ち時間あり
有料プラン
月額1,569円〜(無制限ダウンロード、待ち時間なし)
おすすめ用途
コーポレートサイト、店舗サイト、ブログ記事、バナー画像
6. 無料ツールの選び方
10種類のツールを紹介しましたが、どのツールを選ぶべきかは目的によって異なります。
6-1. 目的別おすすめツール
| 目的 | おすすめツール | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく簡単に作りたい | Jimdo、ペライチ | シンプルな操作で迷わない |
| デザインにこだわりたい | Wix、STUDIO | デザインの自由度が高い |
| ブログを始めたい | WordPress.com、Blogger | ブログ機能が充実 |
| 1ページだけでOK | ペライチ | 1ページ特化で最速作成 |
| 完全無料で使いたい | Blogger | 広告なしで完全無料 |
| 将来的に拡張したい | WordPress.com | 拡張性が高い |
6-2. 選び方のポイント
- 目的を明確に:何のためにホームページを作るのか
- ページ数を考える:1ページで十分か、複数ページ必要か
- 更新頻度:頻繁に更新するか、ほとんど更新しないか
- デザイン重視度:デザインにどれだけこだわるか
- 将来の拡張性:将来的に機能を追加する可能性があるか
- 予算:将来的に有料プランにアップグレードする予算があるか
7. 注意点
無料ツールを使う際の注意点をまとめます。
7-1. ビジネス利用での注意
- 広告表示:無料プランでは広告が表示され、プロフェッショナルな印象を損なう可能性
- 独自ドメイン:サブドメイン(yoursite.wixsite.com)では信頼性が低く見える
- 機能制限:重要な機能が使えず、ビジネスに支障が出る可能性
- サポート:無料プランではサポートが限定的で、トラブル時に困る
- 容量制限:商品画像など、多くの画像を使う場合は容量不足の可能性
7-2. SEOの注意点
- 独自ドメイン:SEO効果を高めるには独自ドメインが推奨
- ページ速度:無料ツールはページ表示速度が遅い場合がある
- SEO設定:無料プランでは細かいSEO設定ができない場合がある
- サイト構造:複雑なサイト構造には対応していない
7-3. 移行の難しさ
- データのエクスポート:他のサービスへのデータ移行が困難な場合がある
- ロックイン:特定のサービスに依存してしまう
- URL変更:サービスを変更するとURLが変わり、SEO評価がリセット
8. まとめ
無料で使えるホームページ制作ツール10選を紹介してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
ツール選びの要点
- 目的に合わせて選ぶ:簡単さ重視ならJimdo、デザイン重視ならSTUDIO
- まずは試す:無料なので複数試して比較してみる
- 将来を考える:拡張性や有料プランへの移行を視野に
- ビジネスなら有料化も検討:本格利用なら有料プラン推奨
各ツールのまとめ
| ツール | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Wix | デザイン自由度が高い、テンプレート豊富 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| Jimdo | シンプルで使いやすい、日本語サポート充実 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| STUDIO | デザイン性が高い、モダンなサイト制作 | ⭐⭐⭐⭐ |
| ペライチ | 1ページ特化、超簡単 | ⭐⭐⭐⭐ |
| WordPress.com | 拡張性が高い、ブログに最適 | ⭐⭐⭐⭐ |
| Blogger | 完全無料、広告なし | ⭐⭐⭐ |
| Canva | デザイン作成が簡単 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| Figma | 本格的なデザインツール | ⭐⭐⭐⭐ |
| Unsplash | 高品質な写真素材 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 写真AC | 日本向け写真素材が豊富 | ⭐⭐⭐⭐ |
無料ツールの活用法
- スタートアップに:事業開始時の初期費用を抑えられる
- テスト運用に:反応を見てから本格的な投資を判断
- 学習用に:Web制作の基礎を学べる
- 簡易サイトに:イベントページなど一時的なサイトに
本格的なホームページ制作をお考えなら
無料ツールで試してみて、もっと本格的なホームページが必要だと感じたら、プロに相談することをおすすめします。余日(yojitsu)では、貴社のニーズに合わせた最適なホームページを制作いたします。
無料相談はこちら参考文献・データソース
本記事で紹介した各ツールの公式サイトから情報を取得しています(2024-2025年):
- Webサイトビルダー
Wix・Jimdo・STUDIO・ペライチのサービス仕様・料金・機能について、各公式サイトで確認 - CMS(コンテンツ管理システム)
WordPress.com・Bloggerのサービス仕様を各公式サイトで確認 - デザインツール
Canva・Figmaの機能・使い方を各公式サイトで確認 - 画像素材サイト
Unsplash・写真ACの利用条件・画像数を各公式サイトで確認
公式サイト一覧:
- Wix(ウィックス)
https://ja.wix.com/ - Jimdo(ジンドゥー)
https://www.jimdo.com/jp/ - STUDIO
https://studio.design/ja - ペライチ
https://peraichi.com/ - WordPress
https://wordpress.com/ - Blogger
https://www.blogger.com/ - Canva
https://www.canva.com/ - Figma
https://www.figma.com/ - Unsplash
https://unsplash.com/ - 写真AC
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