成果の出るWebサイト制作 - 企画から公開まで完全ガイド

Webサイト制作の全工程を解説。目的設定、設計、デザイン、実装、テスト、公開まで。成果を出すサイトの作り方。

Webサイトは「作ること」が目的ではなく、「成果を出すこと」が目的です。しかし、多くの企業が「デザインが綺麗なサイトを作ったのに、問い合わせが来ない」「お金をかけたのに売上につながらない」という悩みを抱えています。

本記事では、企画から公開まで、成果の出るWebサイト制作の全プロセスを徹底解説します。デザインだけでなく、戦略・設計・運用まで、実践的なノウハウをお伝えします。

💡 制作後のランディングページ最適化については「ランディングページのデザインで重要な3つの要素」をご覧ください。

「成果の出るWebサイト」とは?

成果の出るWebサイトとは、ビジネス目標を達成できるサイトです。

ビジネス目標の例

業種 ビジネス目標 サイトでの成果指標
BtoB企業 新規顧客獲得 資料請求数、問い合わせ数
EC企業 売上向上 購入数、購入単価、リピート率
店舗ビジネス 来店客数増加 予約数、電話問い合わせ数
採用サイト 応募者獲得 エントリー数、説明会参加数
メディアサイト 広告収益 PV数、滞在時間、広告クリック数

「綺麗なサイト」と「成果の出るサイト」の違い

項目 綺麗なサイト 成果の出るサイト
優先事項 見た目のデザイン ユーザーの行動(CV)
制作プロセス デザインから開始 戦略・目標設定から開始
コンテンツ 企業が伝えたいこと ユーザーが知りたいこと
公開後 作って終わり 継続的に改善

成果の出るWebサイト制作の7ステップ

成果を出すには、正しいプロセスで制作することが重要です。

ステップ1:目的・目標の明確化

最も重要なステップです。「何のためにサイトを作るのか」を明確にします。

設定すべき項目

  • ビジネス目標:売上増加、認知拡大、採用強化など
  • 定量目標(KPI):月間問い合わせ10件、CVR 3%など
  • ターゲットユーザー:誰に向けたサイトか
  • 競合との差別化ポイント:自社の強みは何か

悪い例と良い例

❌ 悪い例:「おしゃれなサイトを作りたい」「競合もリニューアルしたから」
✅ 良い例:「月間問い合わせを現在の5件から20件に増やす。ターゲットは大分県内の中小企業経営者。価格の安さではなく、実績と丁寧なサポートで差別化する」

ステップ2:ターゲットユーザーのリサーチ

ユーザーを深く理解することが、成果につながるサイト設計の鍵です。

リサーチ方法

  • 既存顧客へのヒアリング:なぜ自社を選んだか、何を重視したか
  • 営業・カスタマーサポートへのヒアリング:よくある質問、顧客の悩み
  • 競合サイト分析:競合はどんな訴求をしているか
  • Google検索の「他の人はこちらも検索」:ユーザーが求める情報
  • SNS・口コミサイト:業界に対するユーザーの本音

ペルソナ設定

リサーチ結果をもとに、具体的なペルソナ(典型的なユーザー像)を作成します。

例:BtoB SaaS企業のペルソナ
「田中太郎さん、38歳、中小製造業の営業部長。Excelでの顧客管理に限界を感じており、SFA/CRMツールを探している。ITに詳しくないため、使いやすさとサポート体制を重視。予算は月5万円以内」

ステップ3:サイト構造の設計

ユーザーが迷わず目的の情報にたどり着ける構造を設計します。

基本的なサイト構造(BtoB企業の例)

トップページ
├─ サービス(主要ページ)
│  ├─ サービスA詳細
│  ├─ サービスB詳細
│  └─ 料金プラン
├─ 導入事例(信頼性)
├─ 会社概要
├─ お知らせ・ブログ(SEO対策)
└─ お問い合わせ(CV)

サイトマップ作成のポイント

  • 3クリック以内の法則:トップから3クリック以内で全ページにアクセス可能に
  • グローバルナビゲーション:主要ページへのリンクを常に表示
  • コンバージョンへの導線:どのページからも問い合わせに誘導

ステップ4:ワイヤーフレーム作成

ワイヤーフレームとは、ページのレイアウトを示す設計図です。デザインに入る前に、情報配置を決めます。

ワイヤーフレームで決めること

  • ヘッダー、フッターの要素
  • 各セクションの配置順序
  • CTA(行動喚起)ボタンの位置
  • 画像・テキストの配分

トップページの基本構成

  1. ファーストビュー:キャッチコピー + メインビジュアル + CTAボタン
  2. サービス概要:何ができるか(3〜4項目)
  3. 選ばれる理由:競合との差別化ポイント
  4. 導入事例・お客様の声:信頼性の証明
  5. サービス詳細:各サービスへのリンク
  6. 料金:明確な価格表示
  7. よくある質問(FAQ):不安の解消
  8. お問い合わせ:最後の後押し

ツール

  • Figma(無料・高機能)
  • Adobe XD
  • 手書きでもOK(紙とペン)

ステップ5:デザイン制作

ワイヤーフレームをもとに、ビジュアルデザインを制作します。

デザインの基本原則

1. シンプルであること

情報を詰め込みすぎず、余白を十分に取ることで、重要な情報が目立ちます。

2. 視覚的階層

見出し、本文、ボタンなどのサイズ・色・配置で優先度を明確にします。

3. 一貫性

フォント、色、ボタンのスタイルなどを全ページで統一します。

4. レスポンシブデザイン

スマホ・タブレット・PCすべてで快適に閲覧できるデザインにします。詳しくは「レスポンシブWebデザインの基本」をご覧ください。

配色の選び方

色は3色以内(ベース・メイン・アクセント)に抑えるのが基本です。

  • ベースカラー(70%):背景色(白、グレーなど)
  • メインカラー(25%):企業のブランドカラー
  • アクセントカラー(5%):CTAボタン、重要な情報

フォントの選び方

  • 和文:Noto Sans JP、游ゴシック、ヒラギノ角ゴ
  • 欧文:Roboto、Open Sans、Lato
  • 種類は2〜3つまでに抑える

ステップ6:コーディング・実装

デザインをHTML/CSS/JavaScriptで実装します。

実装のポイント

  • セマンティックHTML:適切なタグを使う(<header><nav><article>など)
  • レスポンシブ対応:メディアクエリで画面サイズごとに最適化
  • ページ速度:画像圧縮、不要なJavaScriptの削減
  • アクセシビリティ:alt属性、キーボード操作対応
  • SEO対策:タイトルタグ、メタディスクリプション、構造化データ

CMSの活用

更新頻度が高い場合は、CMS(コンテンツ管理システム)の導入を検討します。

CMS 特徴 向いている用途
WordPress 世界シェアNo.1、プラグイン豊富 ブログ、コーポレートサイト
Shopify EC特化、決済機能が充実 ECサイト
Wix/Jimdo ノーコードで簡単 小規模サイト、個人事業主
Webflow デザイン自由度が高い デザイン重視のサイト

ステップ7:テスト・公開

公開前に、徹底的にテストします。

チェック項目

  • 動作確認:リンク切れ、フォーム送信、スクロール動作
  • クロスブラウザテスト:Chrome、Safari、Firefox、Edgeで確認
  • デバイステスト:iPhone、Android、タブレット、PCで確認
  • ページ速度PageSpeed Insightsで測定
  • SEO設定:タイトル、メタディスクリプション、OGP設定
  • アナリティクス設定:Google Analytics、Google Search Console

公開後の運用が成果を決める

Webサイトは「公開して終わり」ではありません。継続的な改善が成果につながります。

1. アクセス解析

Google Analyticsで以下を確認します:

  • PV数:どのページがよく見られているか
  • 流入経路:オーガニック、SNS、広告、直接アクセスの割合
  • 直帰率:1ページだけ見て離脱した割合(低いほど良い)
  • コンバージョン率:目標達成率

2. ヒートマップ分析

ユーザーがページのどこをクリック・スクロールしているかを可視化します。

3. A/Bテスト

2つのパターンを比較し、効果の高い方を採用します。

テストすべき要素:

  • キャッチコピー
  • CTAボタンの色・文言
  • メイン画像
  • フォームの項目数

4. SEO対策

検索エンジンからの流入を増やすため、継続的にSEO対策を行います。

  • ブログ記事の定期更新:週1〜月2回の更新
  • 既存記事のリライト:情報を最新化
  • 内部リンクの最適化:関連記事同士をリンク

詳しくは「SEO対策完全ガイド」をご覧ください。

5. コンテンツマーケティング

ユーザーにとって価値あるコンテンツを継続的に発信します。

  • 業界トレンド解説
  • ノウハウ記事
  • 導入事例・インタビュー
  • よくある質問への回答

成果の出るWebサイトの成功事例

事例1:BtoB SaaS企業(リニューアル)

課題:サイトが古く、問い合わせが月3件程度
施策

  • ターゲットを中小企業に明確化
  • 導入事例を5件→20件に増加
  • 料金を明確に表示
  • 無料トライアルのCTAを全ページに配置
  • ブログでSEO対策(週1更新)

結果:6ヶ月後、月間問い合わせが3件→25件に増加、オーガニック流入が5倍

事例2:地域密着型サービス(新規構築)

課題:認知度が低く、電話問い合わせが少ない
施策

  • 「大分 ○○」でSEO対策
  • Googleビジネスプロフィール最適化
  • お客様の声を動画で掲載
  • 電話番号を大きく表示(ヘッダー固定)
  • LINEからの問い合わせ導線を追加

結果:3ヶ月後、月間問い合わせが0→15件、予約サイトへの誘導が成功

事例3:ECサイト(リニューアル)

課題:アクセスはあるが購入率(CVR)が低い(0.8%)
施策

  • 商品画像を1枚→5枚に増加
  • レビュー機能の追加
  • カート放棄対策(リマインドメール)
  • 決済方法を追加(後払い、Apple Pay)
  • ページ速度を3秒→1秒に改善

結果:CVRが0.8%→2.3%に改善、売上が2.9倍に

Web制作でよくある失敗と対策

失敗1:目的が不明確

❌ 失敗:「とりあえずおしゃれなサイトを作ろう」
✅ 対策:KPI設定(月間問い合わせ20件など)を明確に

失敗2:ユーザー視点の欠如

❌ 失敗:「会社の歴史」「代表挨拶」がトップページの大半を占める
✅ 対策:ユーザーの知りたい情報(サービス内容、料金、実績)を優先

失敗3:スマホ対応が不十分

❌ 失敗:PC版は綺麗だがスマホで見づらい
✅ 対策:モバイルファーストで設計、デバイステスト徹底

失敗4:ページ速度が遅い

❌ 失敗:大きな画像を大量に使い、読み込みに5秒以上
✅ 対策:画像圧縮(WebP形式)、不要なスクリプト削除

失敗5:公開後に放置

❌ 失敗:公開して1年間何もしない
✅ 対策:月1回は分析、ブログ更新、改善を継続

Web制作の費用相場

サイト種類 費用相場 制作期間
LP(ランディングページ) 10〜50万円 2週間〜1ヶ月
コーポレートサイト(小規模) 30〜100万円 1〜2ヶ月
コーポレートサイト(中規模) 100〜300万円 2〜3ヶ月
ECサイト 50〜500万円 2〜4ヶ月
オウンドメディア 100〜500万円 3〜6ヶ月

費用は、ページ数、機能、デザインの複雑さ、CMSの有無などで変動します。

まとめ:成果を出すために最も重要なこと

成果の出るWebサイト制作で最も重要なのは、「ユーザーファースト」の姿勢です。

成果を出すための7つのポイント

  1. 明確な目的・KPI設定:何のためにサイトを作るのか
  2. 徹底的なユーザーリサーチ:ペルソナを具体的に
  3. シンプルで分かりやすい設計:迷わせない導線
  4. レスポンシブデザイン:すべてのデバイスで快適に
  5. ページ速度の最適化:3秒以内の読み込み
  6. SEO対策:検索エンジンからの流入を増やす
  7. 継続的な改善:データを見て仮説検証を繰り返す

Webサイトは「作ること」ではなく「成果を出すこと」が目的です。公開後の運用こそが、成功の鍵を握っています。

💡 「自社でWeb制作をする時間がない」「プロに任せたい」という方は、余日のWeb制作サービスをご検討ください。戦略立案から制作・運用まで一貫サポートします。

関連記事

外部参考リンク

Web制作について、ご不明な点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。無料相談も承っております。

ブログ一覧に戻る

目次