Web制作の発注完全ガイド|失敗しない依頼の進め方と注意点

Web制作を発注する際の完全ガイド。RFP作成、制作会社選定、契約時の注意点、プロジェクト管理のコツを解説。発注者として知っておくべきポイントを紹介します。

「Web制作を発注したいけど、何から始めればいいか分からない」「見積もりを取ったけど、この金額が妥当なのか判断できない」そんな悩みを抱える発注担当者の方は多いのではないでしょうか。Web制作の発注は、準備不足のまま進めると「思っていたものと違う」「予算オーバー」といったトラブルにつながりがちです。本記事では、Web制作を発注する際の基本知識から、失敗しないための具体的な準備方法、制作会社の選び方まで徹底解説します。

Web制作発注の基本ステップ

発注までの9ステップ

Web制作の発注は、以下のステップで進めるのが一般的です。

  1. 課題と目的の明確化

    なぜWebサイトが必要なのか、何を実現したいのかを明確にします。

  2. 予算の確保・明確化

    社内で予算を確保し、制作会社に提示できる状態にします。

  3. 作業範囲の明確化

    自社でできること、制作会社に任せることを整理します。

  4. スケジュールの設定

    公開希望日から逆算して、制作期間を確保します。

  5. RFP(提案依頼書)の作成

    プロジェクトの概要、要件をまとめた書類を作成します。

  6. 制作会社のリストアップ

    候補となる制作会社を3〜5社程度選定します。

  7. オリエンテーション・見積もり依頼

    各社に要件を説明し、提案・見積もりを依頼します。

  8. 提案内容の比較・検討

    提案書、見積もり、実績などを総合的に比較します。

  9. 発注先の決定・契約

    最適な制作会社を選定し、契約を締結します。

発注前に決めておくべき5つのこと

1. サイトの目的・ゴール

Web制作で最も重要なのが「何を実現したいか」という目的の明確化です。目的が曖昧だと、制作会社も適切な提案ができません。

売上向上

ECサイトの構築、お問い合わせ増加、資料請求獲得など

採用強化

採用サイト、企業文化の発信、エントリー数増加

ブランディング

企業イメージの向上、認知拡大、信頼性の構築

業務効率化

顧客対応の自動化、情報発信の効率化

2. ターゲットユーザー

誰に向けたサイトなのかを具体的に定義します。

  • 年齢層:20代〜30代、40代〜50代など
  • 性別:男性、女性、両方
  • 職業:経営者、マーケター、一般消費者など
  • 課題・ニーズ:何を解決したいと思っているか
  • デバイス:PC中心、スマホ中心、両方

3. 予算

予算は正直に伝えることが重要です。予算を隠すと、制作会社も最適な提案ができません。

予算の目安

サイト規模 ページ数 費用相場
LP(ランディングページ) 1ページ 10万〜50万円
小規模サイト 5〜10ページ 30万〜100万円
中規模サイト 10〜30ページ 100万〜300万円
大規模サイト 30ページ以上 300万円以上

4. スケジュール

公開希望日から逆算して、十分な制作期間を確保しましょう。

サイト規模 制作期間の目安
LP(1ページ) 1〜1.5ヶ月
小規模サイト(2〜20ページ) 2〜3.5ヶ月
中規模サイト(30〜100ページ) 6〜8ヶ月
大規模サイト(100ページ以上) 8〜12ヶ月

スケジュールの注意点

上記は制作期間の目安です。これに加えて、発注前の準備期間(1〜2ヶ月)公開後の確認期間(2週間程度)を見込んでおきましょう。急ぎの場合は、追加費用が発生することがあります。

5. 必要な機能・要件

サイトに必要な機能を洗い出しておきます。

  • お問い合わせフォーム:必要な入力項目、自動返信
  • CMS(更新システム):WordPress、その他CMS
  • ブログ・お知らせ機能:記事の更新頻度、カテゴリ分け
  • EC機能:カート、決済、在庫管理
  • 会員機能:ログイン、マイページ
  • 多言語対応:英語、中国語など
  • アクセス解析:GA4、サーチコンソール連携

RFP(提案依頼書)の書き方

RFPとは

RFP(Request For Proposal)とは、プロジェクトの概要や要件をまとめた提案依頼書のことです。RFPを作成することで、以下のメリットがあります。

  • 発注者・制作会社間の認識のズレを防止
  • 複数社の提案を同じ条件で比較可能
  • 社内の関係者との認識合わせにも活用

RFPに含めるべき項目

RFPテンプレート

  1. プロジェクト概要:会社紹介、プロジェクトの背景
  2. 目的・ゴール:サイトで実現したいこと、KPI
  3. ターゲット:想定するユーザー像
  4. サイト構成:必要なページ、サイトマップ案
  5. 機能要件:必要な機能、システム要件
  6. デザイン要件:参考サイト、ブランドガイドライン
  7. 予算:総予算、予算の内訳
  8. スケジュール:公開希望日、マイルストーン
  9. 提案依頼内容:提案書に含めてほしい内容
  10. 選定基準:何を重視して選定するか
  11. 提案期限:提案書の提出期限

制作会社の選び方

発注先の種類と特徴

大手Web制作会社

費用:高め(100万円〜)
特徴:品質・信頼性が高い、大規模プロジェクト対応可能
注意点:費用が高い、小規模案件は対応しないことも

中小制作会社

費用:中程度(30万〜300万円)
特徴:柔軟な対応、業界特化の会社も
注意点:会社によって品質にバラつき

フリーランス

費用:安め(10万〜100万円)
特徴:コストを抑えられる、柔軟な対応
注意点:品質のバラつき、バックアップ体制の不安

地域密着型制作会社

費用:中程度
特徴:対面での打ち合わせ、地域事情に精通
注意点:選択肢が限られる

選定時のチェックポイント

  1. 実績・ポートフォリオ:同業種・同規模の実績があるか
  2. 得意分野:デザイン重視、システム開発得意など
  3. 対応範囲:企画、デザイン、開発、運用保守まで対応可能か
  4. コミュニケーション:レスポンスの速さ、説明の分かりやすさ
  5. 提案力:要望を超えた提案があるか
  6. サポート体制:公開後の保守・運用サポート

発注時のよくある失敗と対策

失敗1:目的が曖昧なまま発注

NG例

「とりあえず今っぽいサイトにしたい」「競合と同じようなサイトが欲しい」

OK例

「月間お問い合わせ数を現在の10件から30件に増やしたい」「採用エントリー数を2倍にしたい」

失敗2:予算を伝えない

予算を隠すと、制作会社も適切な提案ができません。「予算は50万円だが、良い提案があれば100万円まで検討可能」といった伝え方がベストです。

失敗3:丸投げしてしまう

制作会社に任せきりにすると、期待と異なる仕上がりになりがちです。定期的な進捗確認こまめなフィードバックが重要です。

失敗4:複数社の見積もりを取らない

1社だけで決めると、相場感が分からず割高な発注になる可能性があります。最低3社から見積もりを取ることをおすすめします。

失敗5:契約内容を確認しない

以下の項目は必ず契約前に確認しましょう。

  • 修正回数の上限と追加費用
  • 著作権・所有権の帰属
  • 公開後の保守・運用費用
  • キャンセル規定
  • 納品物の範囲(デザインデータ、ソースコードなど)

発注後の進め方

制作フローの一般的な流れ

  1. キックオフミーティング

    プロジェクトの目的、スケジュール、役割分担を確認します。

  2. ヒアリング・調査

    詳細なヒアリング、競合調査、ユーザー調査を行います。

  3. 企画・構成

    サイトマップ、ワイヤーフレーム(画面設計図)を作成します。

  4. デザイン

    トップページ、下層ページのデザインを制作します。

  5. コーディング・開発

    デザインをもとにHTML/CSS/JavaScript、CMSの構築を行います。

  6. テスト・確認

    動作確認、表示確認、修正対応を行います。

  7. 公開・納品

    本番環境への公開、納品物の引き渡しを行います。

  8. 運用・保守

    公開後の更新、メンテナンス、改善を継続します。

発注者として意識すべきこと

スムーズな進行のポイント

  • 担当者を決める:社内の窓口を一本化し、迅速な意思決定を
  • 素材の準備:ロゴ、写真、テキストは早めに用意
  • フィードバックは具体的に:「なんか違う」ではなく、具体的な改善点を
  • スケジュールを守る:確認・承認の遅れは全体の遅延に
  • 変更は早めに:後半での大幅な変更は費用・工期に影響

よくある質問(FAQ)

Q. 見積もりは無料ですか?

A. 多くの制作会社では、概算見積もりは無料です。ただし、詳細な提案書を伴う見積もりは有料の場合もあります。事前に確認しましょう。

Q. 素材(写真・テキスト)は自社で用意する必要がありますか?

A. 制作会社によります。自社で用意する場合は費用を抑えられます。撮影やライティングも依頼する場合は、別途費用がかかります。

Q. 公開後の修正・更新はどうすればいいですか?

A. CMSを導入すれば、簡単な更新は自社で対応可能です。デザインの変更や機能追加は、保守契約を結ぶか、都度依頼する形になります。

Q. レスポンシブ対応は必須ですか?

A. はい、必須と考えてよいでしょう。現在、多くのサイトでスマホからのアクセスが過半数を占めています。Googleもモバイルフレンドリーを重視しています。

まとめ

Web制作の発注は、事前準備が成功の鍵です。目的の明確化、予算・スケジュールの設定、RFPの作成を丁寧に行い、複数社から見積もりを取って比較検討しましょう。

この記事のポイント

  • 目的・ターゲット・予算・スケジュールを事前に明確化
  • RFP(提案依頼書)を作成して認識のズレを防止
  • 最低3社から見積もりを取り、比較検討
  • 契約前に修正回数、著作権、保守費用を確認
  • 発注後は定期的な進捗確認とこまめなフィードバック

本記事を参考に、失敗のないWeb制作発注を実現してください。

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