ブランディング種類|5つのタイプと選び方【2025年版】

ブランディングの5つの主要タイプ(企業・商品・個人・採用・地域ブランディング)を徹底解説。ビジネスモデル・経営課題・リソース・競合状況から最適なブランディングを選ぶ方法を紹介します。

ブランディングと一口に言っても、実は様々な種類があります。企業ブランディング、商品ブランディング、個人ブランディング——それぞれに特性があり、目的に応じて使い分ける必要があります。本記事では、主要な5つのブランディング種類とその選び方を解説します。

ブランディングの5つの主要タイプ

1. 企業ブランディング(コーポレートブランディング)

対象:企業・組織全体

目的:企業の存在価値、理念、文化を社内外に浸透させる

効果:採用力強化、取引先との信頼構築、社員のエンゲージメント向上

大分県の事例:大分県の老舗温泉旅館が、「100年続く地域の癒し」というコーポレートブランドを確立。地元への貢献姿勢を前面に出すことで、観光客だけでなく地域住民からも愛される存在に。

2. 商品ブランディング(プロダクトブランディング)

対象:個別の商品・サービス

目的:特定の商品を競合と差別化し、顧客の選択肢に入れる

効果:価格競争からの脱却、リピート購入の促進、口コミ拡散

具体例:

  • AppleのiPhone(革新性・デザイン性)
  • コカ・コーラ(爽快感・幸福感)
  • 地域特産品の高付加価値化(大分の関あじ・関さばなど)

3. 個人ブランディング(パーソナルブランディング)

対象:個人(経営者、専門家、インフルエンサー)

目的:個人の専門性・人格・価値観を発信し、信頼を獲得

効果:案件獲得、講演依頼、メディア露出、採用応募増加

特にBtoB企業では、「会社名」より「社長の名前」で認知されることも多く、個人ブランディングが企業の成長に直結します。

詳しくは:個人ブランディングの始め方|7ステップで構築する自分ブランド

4. 採用ブランディング(リクルートブランディング)

対象:求職者・潜在的な人材

目的:「この会社で働きたい」と思われる魅力を構築

効果:応募数増加、ミスマッチ減少、離職率低下、採用コスト削減

施策例 効果
社員インタビュー動画の公開 リアルな働き方が伝わり、応募者の納得感向上
社内イベント・文化の発信 「楽しそうな職場」というイメージ形成
福利厚生・キャリアパスの明示 長期的なキャリア形成への安心感

5. 地域ブランディング(プレイスブランディング)

対象:都市・地域・観光地

目的:地域の魅力を再定義し、観光客・移住者・投資を呼び込む

効果:観光客増加、移住者獲得、地域経済活性化、地域住民の誇り醸成

大分県の地域ブランディング事例:

  • 別府市:「温泉のまち」から「ONSENツーリズム」へ進化。外国人観光客に向けた体験型コンテンツで差別化
  • 由布市(湯布院):「女性が憧れる温泉地」というブランディングで、観光単価を大幅に向上
  • 竹田市:「日本のマチュピチュ・岡城」として歴史資産を活用したブランド構築

どのブランディングを選ぶべきか?4つの判断基準

判断基準1:ビジネスモデルで選ぶ

  • BtoB企業:企業ブランディング + 個人ブランディング(社長・営業担当者)
  • BtoC企業:商品ブランディング中心、企業ブランディングは補助的に
  • スタートアップ:創業者の個人ブランディングから始め、徐々に企業ブランディングへ移行

判断基準2:経営課題で選ぶ

経営課題 推奨ブランディング
売上が伸び悩んでいる 商品ブランディング
価格競争に巻き込まれている 商品ブランディング + 企業ブランディング
採用が上手くいかない 採用ブランディング
社員のモチベーションが低い 企業ブランディング(インナーブランディング)
知名度がない 個人ブランディング(SNS・メディア露出)

判断基準3:リソースで選ぶ

予算・人員が限られている場合:

  • まずは個人ブランディング(社長・キーパーソンのSNS発信)
  • コストをかけずに始められ、即効性がある

中規模予算がある場合:

  • 商品ブランディング(パッケージリニューアル、広告展開)
  • 売上に直結しやすい

大規模予算がある場合:

  • 企業ブランディング(CI刷新、ブランドムービー制作、社内外への浸透活動)
  • 中長期的な企業価値向上を目指す

判断基準4:競合状況で選ぶ

競合が企業ブランディングに注力している場合:

  • あえて商品ブランディングや個人ブランディングで差別化

競合が商品スペック競争をしている場合:

  • 企業ブランディングで「この会社から買いたい」という感情を醸成

複数のブランディングを組み合わせる「統合ブランディング」

実際には、1つのブランディングだけでなく、複数を組み合わせることで相乗効果が生まれます。

統合ブランディングの成功パターン

パターン1:個人→企業→商品の順で展開

  1. 社長がSNSで専門知識を発信(個人ブランディング)
  2. メディア露出が増え、企業の認知度が向上(企業ブランディング)
  3. 「あの社長の会社の商品なら信頼できる」と商品が売れる(商品ブランディング)

パターン2:商品→企業の順で展開

  1. 1つの商品がヒットし、ブランド力が確立(商品ブランディング)
  2. 「あの商品を作っている会社」として企業の信頼性が向上(企業ブランディング)
  3. 他の商品も売れやすくなる(ハロー効果)

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この記事を書いた人

余日(Yojitsu)編集部
大分県を拠点に、ブランディング・マーケティング支援を行う余日の編集チーム。企業ブランディングから個人ブランディング、地域ブランディングまで、幅広いブランディング支援の実績を持つ専門家集団です。

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