採用サイトとしてのホームページ活用法【大分の中小企業向け】

人手不足に悩む大分の中小企業向けに、採用サイトの必要性、掲載すべきコンテンツ、Indeed連携、低予算での制作方法を詳しく解説。求人サイトだけでは不十分な時代に、採用サイトで優秀な人材を獲得しましょう。

いま、中小企業に採用サイトが必要な理由

「人手不足で困っている」「求人を出しても応募が来ない」「採用してもすぐに辞めてしまう」——大分県内の中小企業経営者から、こうした声をよく聞きます。

2024年の有効求人倍率は全国平均で1.2倍を超え、大分県も同様に人材獲得競争が激しくなっています。特に若手人材の確保は、企業の存続にかかわる重要課題となっています。

採用に関する最新データ

  • 多くの求職者が応募前に企業のホームページをチェックしている
  • 新卒学生の多くが「会社の雰囲気や社員の声」を重視している
  • 多くの中途採用者が「企業理念への共感」を転職理由に挙げる
  • 採用サイトがある企業は応募率が高い傾向にある

これらのデータが示すように、求職者は応募前に必ず企業ホームページをチェックしています。Indeedやタウンワークなどの求人サイトだけでは、企業の魅力を十分に伝えきれません。

採用サイトが必要な3つの理由

  1. ミスマッチを防ぐ:詳しい情報提供で「こんなはずじゃなかった」を減らす
  2. 企業ブランディング:大手にはない中小企業の魅力を伝える
  3. コスト削減:求人広告費を抑えながら、自社で継続的に採用活動ができる

求人サイトだけでは足りない時代

比較項目 求人サイト
(Indeed・リクナビ等)
自社採用サイト
掲載期間 有料プランの期間のみ 無期限で掲載可能
情報量 限られた文字数・項目 無制限(詳細に伝えられる)
デザイン テンプレート形式 自由にブランディング可能
コスト 継続的な掲載費用が必要 初期費用のみ(維持費は低い)
他社との差別化 難しい(同じフォーマット) 容易(独自性を出せる)
社員の声・写真 制限あり 豊富に掲載可能
SEO効果 求人サイト内のみ Google検索でヒット
データ蓄積 プラットフォーム依存 自社で分析・改善可能

最適な組み合わせ

求人サイトで応募者を集める → 採用サイトで詳しく魅力を伝える → 応募・問い合わせ

Indeedや求人ボックスは「入口」、自社採用サイトは「詳しい説明と信頼獲得の場」として使い分けるのが効果的です。

求人サイトだけに頼るリスク

  • 掲載が終わると情報が消える → 継続的な採用活動ができない
  • 他社と同じフォーマット → 埋もれてしまう
  • 詳しい情報が伝えられない → ミスマッチが起きやすい
  • 掲載費用が継続的にかかる → 年間コストが高額に

採用サイトに必ず掲載すべき7つのコンテンツ

1. 会社紹介・企業理念

なぜ必要?求職者は「何をしている会社か」だけでなく「どんな想いで仕事をしているか」を知りたい

掲載すべき内容:

  • 会社の歴史・沿革
  • 経営理念・ビジョン・ミッション
  • 社長メッセージ(創業の想い、これからの展望)
  • 事業内容の詳しい説明
  • 取引先・実績

大分ならではの視点:「地域貢献」「地元密着」といった大分での役割をアピールすると効果的

2. 社員インタビュー・社員紹介

なぜ必要?実際に働く人のリアルな声が、一番の安心材料になる

掲載すべき内容:

  • 入社の決め手、入社前のイメージと入社後のギャップ
  • 1日のスケジュール
  • やりがい・大変なこと
  • 職場の雰囲気、人間関係
  • キャリアパス(入社何年目でどんな仕事をしているか)
  • 先輩からのメッセージ

ポイント:できるだけ顔写真付きで。新卒・中途・女性・ベテランなど、多様な社員を紹介すると効果的

3. 募集職種・仕事内容

なぜ必要?具体的な業務内容がわからないと応募できない

掲載すべき内容:

  • 職種ごとの詳しい業務内容
  • 必要なスキル・資格
  • 求める人物像
  • 雇用形態(正社員・契約社員・パート等)
  • 勤務地(大分市内、県外など)
  • 給与・待遇(できるだけ具体的に)
良い例:

「営業職:既存顧客への定期訪問がメイン。飛び込み営業はありません。大分市内および近郊エリアを担当。社用車貸与。月給23万円〜(経験により優遇)」

悪い例:

「営業職:営業業務全般」

4. 福利厚生・働きやすさ

なぜ必要?長く働けるかどうかを判断する重要な情報

掲載すべき内容:

  • 休日・休暇(年間休日数、有給取得率)
  • 残業時間(月平均何時間か)
  • 各種手当(通勤手当、家族手当、住宅手当など)
  • 社会保険・退職金制度
  • 育児・介護支援制度
  • 資格取得支援、研修制度
  • 社員旅行、親睦会などの社内イベント

大分の中小企業の強み:「年間休日120日」「有給取得率80%」「残業月平均10時間以内」など、具体的な数字で示すと信頼度UP

5. 教育・研修制度、キャリアパス

なぜ必要?「成長できる環境か」「将来が見えるか」を求職者は重視する

掲載すべき内容:

  • 新入社員研修の内容・期間
  • OJT体制(マンツーマン指導など)
  • スキルアップ支援(外部研修、資格取得補助)
  • キャリアパスの例(入社1年目・3年目・5年目のイメージ)
  • 昇給・昇格の仕組み

6. 職場の雰囲気がわかる写真・動画

なぜ必要?文字だけでは伝わらない「空気感」を視覚的に伝える

掲載すべき素材:

  • オフィス・工場・店舗の写真
  • 社員が働いている様子
  • 会議やミーティングの風景
  • 休憩室、ランチの様子
  • 社内イベント(歓迎会、忘年会、社員旅行など)
  • 会社紹介動画(あればベスト)

撮影のコツ:プロに頼まなくてもOK。スマホで自然な日常風景を撮影するだけでも十分効果的

7. 応募方法・選考フロー

なぜ必要?「どうやって応募すればいいか」が明確でないと応募のハードルが上がる

掲載すべき内容:

  • 応募方法(Web応募フォーム、メール、電話)
  • 選考の流れ(書類選考 → 面接1回 → 内定、など)
  • 選考期間の目安
  • 面接で聞かれること、準備すべきこと
  • よくある質問(「未経験でも大丈夫?」「転勤はある?」など)

大分の中小企業が伝えるべき魅力

大手企業と比べて給与や知名度で劣る中小企業でも、大分ならではの魅力を打ち出すことで人材を獲得できます。

1. ワークライフバランスの良さ

大分は東京や大阪に比べて通勤時間が短く、家賃も安い。「通勤30分以内」「定時で帰れる」「家族との時間を大切にできる」といった点をアピール。

2. 地域貢献のやりがい

「地元大分の○○産業を支えている」「地域の人々の生活に役立っている」といった、大手にはない地域密着型のやりがいを伝える。

3. 成長機会の多さ

中小企業は幅広い業務を経験できるチャンス。「入社3年目でプロジェクトリーダー」「若手でも裁量権がある」など、早期にスキルアップできる環境を強調。

4. 風通しの良い社風

「社長との距離が近い」「意見を言いやすい」「社員同士が仲良い」など、アットホームな雰囲気は中小企業の大きな強み。

5. 大分での暮らしやすさ

温泉、自然、食べ物の美味しさ、子育てのしやすさなど、大分での生活の魅力も採用サイトで伝えましょう。UIターン希望者には特に効果的。

採用サイトとIndeed・求人サイトの連携

効果的な連携の流れ

STEP 1

Indeedで求人を見つけてもらう

Indeedや求人ボックスに求人情報を掲載。検索されやすいキーワードを盛り込む。

例:「大分 営業 未経験OK」「大分市 事務 土日休み」

STEP 2

採用サイトで詳しく確認

興味を持った求職者が採用サイトへアクセス。会社の雰囲気、社員の声、詳しい仕事内容をチェック。

STEP 3

応募

納得した求職者が応募フォームから応募、または電話・メールで連絡。

Indeedと採用サイトの連携テクニック

1. Indeedの求人情報に採用サイトURLを記載

「詳しい情報は当社採用サイトをご覧ください → https://yojitu.com/recruit/」

2. 採用サイトをIndeedにクローリングさせる

採用サイトに構造化データ(JobPosting Schema)を埋め込むことで、Indeedが自動的に求人情報を収集してくれます(無料掲載可能)。

JobPosting Schemaの例:
<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org/",
  "@type": "JobPosting",
  "title": "営業スタッフ",
  "description": "既存顧客への定期訪問がメイン...",
  "datePosted": "2025-11-15",
  "employmentType": "FULL_TIME",
  "hiringOrganization": {
    "@type": "Organization",
    "name": "株式会社○○",
    "sameAs": "https://yojitu.com"
  },
  "jobLocation": {
    "@type": "Place",
    "address": {
      "@type": "PostalAddress",
      "addressLocality": "大分市",
      "addressRegion": "大分県"
    }
  }
}
</script>

3. 応募導線を最適化

採用サイト内に目立つ「応募ボタン」を複数配置。ページを読み進めるごとに応募ボタンが目に入るように設計。

採用サイトの成功事例

【事例1】大分県の製造業A社

課題:

若手人材の応募が少ない。「工場勤務=きつい」というイメージ。

施策:

  • 20代社員のインタビュー動画を掲載
  • 「残業ほぼなし」「土日祝休み」を大きくアピール
  • 工場内の清潔で明るい作業環境を写真で紹介
  • 資格取得支援制度を詳しく説明

結果:

応募数が大幅に増加。特に20代の応募が増え、3名の若手人材を採用成功。

【事例2】大分市内の小売業B社

課題:

パート・アルバイトの定着率が低い。すぐに辞めてしまう。

施策:

  • 実際に働くパートスタッフの声を掲載(主婦、学生など)
  • 「シフト柔軟対応」「扶養内勤務OK」を明記
  • 職場の和やかな雰囲気を写真で伝える
  • 「1日の流れ」を時系列で紹介

結果:

入社後のミスマッチが減少。「思っていた通りの職場だった」という声が増え、定着率が向上。

【事例3】大分のIT企業C社

課題:

UIターン人材を獲得したいが、「大分にIT企業があることを知られていない」

施策:

  • 「大分で最先端の技術に携われる」ことをアピール
  • リモートワーク制度、フレックスタイム制度を強調
  • 大分での暮らしの魅力(温泉、自然、食など)を紹介
  • 移住支援金、引っ越し費用補助を明記

結果:

県外からの応募が増加。東京・大阪から2名のUIターン採用に成功。

低予算で始める採用サイトの作り方

予算別:採用サイト制作の選択肢

【予算:0円〜5万円】既存ホームページに採用ページを追加

方法:すでに会社のホームページがある場合、そこに「採用情報」ページを追加するだけでOK。

メリット:低コスト、すぐに始められる

デメリット:デザインの自由度が低い

向いている企業:まずは小さく始めたい企業

【予算:10万円〜30万円】シンプルな採用サイト制作

方法:WordPressなどのCMSを使い、必要最低限のページ構成で制作。

ページ構成例:

  • トップページ
  • 会社紹介
  • 募集要項
  • 社員インタビュー(2〜3名)
  • 応募フォーム

メリット:必要な情報を網羅でき、自社で更新可能

向いている企業:コストを抑えつつ、しっかりした採用サイトが欲しい中小企業

【予算:50万円〜100万円】本格的な採用サイト制作

方法:オリジナルデザインで、写真撮影・動画制作も含めて本格的に制作。

含まれる内容:

  • オリジナルデザイン
  • プロカメラマンによる撮影
  • 社員インタビュー動画
  • 応募管理システム
  • SEO対策

メリット:ブランディング効果が高い、他社と明確に差別化できる

向いている企業:採用に力を入れたい成長企業

自分で採用サイトを作る場合のポイント

1. WordPressで簡単に作れる

WordPressの採用サイト向けテーマを使えば、HTMLやCSSの知識がなくても制作可能。

2. 写真はスマホでOK

プロに頼まなくても、スマホで撮影した自然な写真のほうが親近感が湧くことも。明るい場所で、笑顔の社員を撮影しましょう。

3. 文章は社員に協力してもらう

社員インタビューは、実際の社員に質問に答えてもらうだけ。飾らない言葉のほうが求職者に響きます。

4. 応募フォームはGoogleフォームでもOK

最初は無料のGoogleフォームで十分。応募が増えてきたら、専用の応募管理システムを導入。

まとめ:採用サイトは投資対効果が高い

本記事のポイント

  1. 求人サイトだけでは不十分
    求職者の73%が応募前に企業ホームページをチェック。採用サイトがないと機会損失。
  2. 採用サイトで掲載すべき7つのコンテンツ
    会社紹介、社員インタビュー、募集職種、福利厚生、教育制度、職場写真、応募方法を網羅。
  3. 大分の中小企業ならではの魅力を伝える
    ワークライフバランス、地域貢献、成長機会、風通しの良さ、大分での暮らしやすさをアピール。
  4. Indeedとの連携で効果倍増
    求人サイトで認知 → 採用サイトで詳細確認 → 応募という流れを作る。
  5. 低予算でも始められる
    既存ホームページへの追加なら5万円以下。本格的な制作でも50万円程度から可能。

採用サイトの投資対効果

コスト比較:

  • 求人サイト掲載:1ヶ月5万円 × 12ヶ月 = 年間60万円(毎年かかる)
  • 採用サイト制作:初期30万円 + 維持費年間3万円 = 初年度33万円、2年目以降3万円

2年間の合計コスト:

  • 求人サイトのみ:120万円
  • 採用サイト:36万円
  • 84万円の削減!

さらに、採用サイトは一度作れば無期限で使え、いつでも更新可能。長期的には圧倒的にコストパフォーマンスが高いのです。

今日から始められるアクションリスト

  • 既存の会社ホームページに「採用情報」ページがあるか確認
  • なければ、まず簡易的な募集要項ページを作成
  • 社員に協力してもらい、インタビューを実施
  • スマホで職場の写真を撮影
  • 福利厚生・待遇を具体的な数字で整理
  • 応募フォームを設置(Googleフォームでも可)
  • Indeedに求人を掲載し、採用サイトURLを記載
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